ハワイ島マウナ・ケア山頂の巨大天文台の建築工事への反対運動が拡大する中、4月12日日曜日、約3,000人がイオラニ・パレスに集まった。この問題に関するオアフ島での反対集会としては、今のところ過去最大規模である。
この集りによって、オアフ島の住民は、マウナ・ケアで工事の中止を求めていた「プロテクター」らに連帯感を表すことができたと主催者は述べている。14億のプロジェクトである30メートルの天文台(TMT)は、世界最大級の光学望遠鏡である。
多くのネイティブ・ハワイアンは、マウナ・ケアを文化的な聖地であると共に、重要な自然資源であると考えている。更なる天文台の追加によって、聖地は冒涜されてきた。TMTはマウナケア山頂での13番目の天文台となる。
日曜日の集会では、プロジェクトに反対する署名活動と共に、フラのパフォーマンスや音楽、スピーチが提供された。TMTのプロジェクトは、カリフォルニアとカナダの大学と、カリフォルニア拠点の非営利団体TMTオブサーバトリー社が共同出資しており、日本・中国・インドの科学者もパートナーとなっている。
同社が理想的な建設地としてマウナケアを選んだのは2009年だった。ハワイ州から山頂をリースしているハワイ大学は、昨年、プロジェクトのためのサブリースが承認された。
今回の集会は、「何が起こっているのかということに、より注目を集めることを目的としており、人々がネットワークと関係を作りあげ、問題をシェアして耳を傾け、学ぶことを可能にするためです」イベントの司会を務めたイマイ・ウィンチェスター氏は述べた。このイベントを現状改革の「勢いに乗るための方法」とウィンチェスター氏は表現していた。この抗議運動は、ハワイ州全土からアメリカ国内、国際的にも広がっている。
「これは一時的な流行ではありません」ヘエイアの住民であり、「ムーブメント・オブ・アロハ・ノ・カ・アイナ」のメンバーのシェリー・ムネオカさんはコメントした。
ナナクリの住民、ショーン・カウヴェロアさんは、巡回していた請願書のひとつに自分の名前を署名した。この誓願書は、日曜午後4時までに500人の署名を集めた。
「TMTと州に、彼らがやっていることが正しくないということを知ってほしい。彼らは市民の声に耳を傾け、プロジェクトを中止するべきです」とカウヴェロアさん。
モロカイのアクティビスト、ウォルター・ライト氏は、日曜日に70歳の誕生日を迎えた。今回の集会は、カホオラヴェの抗議運動を思い出させるとライト氏。その抗議運動は、70年代のネイティブ・ハワイアン・ムーブメントに火をつけた。
「記憶がよみがえります。最後にここに来たとき、カホオラヴェを守るため、私はバンド・スタンドにジョージ・ヘルムとドクター・アルリと一緒に立ちました。あのときは、今日の4分の1の人しか集まらなかったけれど、私たちは成功しました。私たちはアメリカ軍に打ち勝ったのです。あの時に比べると、今日、ここには10倍以上のマナ(パワー)が集まっています。マウナ・ケアは私たち全員を一緒に呼び集めています。ハワイアンとして、私たちはこのマナを利用することができるのです」
宮殿の門の外では、サウス・キング・ストリートの両側にサインを掲げる人たちが並び、通り過ぎる車からは励ましのクラクションの音や歓声が上がっていた。混雑している道路の真ん中で、バスや車をブロックし、行進するするデモンストレーターも見られた。
ハワイ大学が建設地の工事開始を宣言し、大型の装備を車で運び始めた後、抗議者らがマウナケアでキャンプを始めてから、日曜日は18日目を迎えた。
4月2日には、建築作業員が工事に向かうのをブロックしたため、31名が逮捕された。この逮捕によって、ハワイアンのコミュニティでは不満が誘発され、反TMTの意識を刺激し、州全土での反対運動の引き金となった。
デイヴィッド・イゲ知事が工事の「中断」を2度宣言し、4月20日までこの宣言が適用される。