ホノルル市警(HPD)とハワイ健康被害防止センター(HHHRC)の福祉ワーカーによるチャイナタウンのホームレス向け援助・住宅支援のプログラム(官民提携の法執行補助ダイバージョン(LEAD))が奏功し、警察への通報と医療サービスの請求件数が大幅に減少している。
HPDのマイク・ランバート警部は10月30日の記者会見で、「LEADを実施し1年経つが、その効果は予想をはるかに超えるもので、驚いている。他の地域にも拡大させたい」と述べた。マウイ島では5月、同様のLEADが開始され、奏功している。州ホームレス・コーディネーターのスコット・モリシゲ氏によると、ハワイ島西部では11月、カウアイ島では年末までに、それぞれ独自のLEADを開始するという。
2018年7月1日以降、チャイナタウンの47人のホームレスは、LEADへの参加を勧められ、37人が受け入れた。人数は少ないものの、ハワイ大学の研究では、LEADは参加しているホームレスに下記のような変化をもたらしている。
・警察官の出動件数が55%減少。
・救急医療サービス使用が40%減少。救急室での手当ても、32%から19%に減少。
・日中公共の場で寝転がる人数が、38%減少。
・覚せい剤のメタンフェタミンの使用が18%減少。
・精神的に落ち込む日数が17%減少。
LEADに参加しているホームレスの60%が女性で、その内49%がハワイ先住民または太平洋諸島系住民。
LEADはシアトル市で考案され、現在34の州で実施されている。警察官と共に行動する福祉ワーカーは、ホームレスに最初に会った時に、スクリーニング・フォームに記入し、次回の面会を取り決める。2回目の面会では、福祉ワーカーは、人口統計情報、緊急治療室に行く頻度、精神的症状・薬物中毒・住宅問題を解決するための短・長期計画、等を14ページにわたるフォームに記入する。
LEAD参加者の中には、長く疎遠になっていた家族と再会したり、心臓手術を受けたり、C型肝炎を治癒した者もおり、これらのための交通費も支給されている。福祉ワーカーは週に最低2回チャイナタウンを訪問している。