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ホノルルの路上のホームレスだったロジャー・トンプソンさんは2014年にインスティチュート・フォー・ヒューマン・サービス(IHS)から飛行機チケットの費用の半分を支援され、故郷テキサスに戻ることができた。
「トンプソンさんは現在、雇用され姉と一緒に暮らしています。退役軍人局を通して彼と連絡を取りました。彼は本当に必要な支援を受けられるようになっています」と、IHSでエグゼクティブ・ディレクターを務めるコニー・ミッチェル氏。
同協会が旅費支援プログラムを開始してから、計364人のホームレスの人々が本土に戻っている。過去1年間では133名がこのプログラムを利用。現状IHSは、ほぼ寄付によって年間1万5千ドル程の予算を管理している。
しかし寄付による資金提供は保証されているわけではなく、今年の予算はすでに枯渇の危機にある。ハワイでは約50人が本土へ帰るリストに名を連ねているが、資金が準備されるまで待たなければならない。リストの多くは近隣の島々の福祉団体からIHSを紹介されてきた人達。プログラムは3年間連続で実績を挙げているが、州は税金の投入には踏み切れないようだ。
「私達は現行のプログラムの効果を慎重に考察する必要があり、議論を続けていかなければなりません」と、州でホームレス問題を担当するスコット・モリシゲ氏は話す。ミッチェル氏は「州に頼らなければならないとは考えていませんが、プログラムの実現には地域のサポートは不可欠です」と話す。プログラムの支援を受ける条件として、帰った地域で支援体制が用意されている事と、飛行機代の半分を負担する必要がある。
ミッチェル氏によると、IHSはホームレスが本土に帰った後も状況の確認を続けており、ハワイに再び戻ってきた人は数人程度だという。