日刊サンWEB

過去記事サイト

ホノルル市鉄、線路延長を視野に ルート変更案が浮上

Bynikkansan

12月 2, 2017

Eric Broder Van Dyke / Shutterstock.com

 

 ホノルル市鉄のアラモアナ・ステーションは、ピイコイとコナイキ・ストリートの間のコナ・ストリートに建設される。最終的にハワイ大学へと線路を延伸するには、コナ・ストリートの東からアトキンソン・ドライブを山側に回りカピオラニ・ブルバードに接続する計画が第1候補とされている。しかしホノルル高速鉄道輸送機構(HART)は、そのルートが線路の敷設に適さないと市当局に主張。「アラモアナ・エリアでは不動産開発が進んでおり、これらが将来、線路の延長を妨げます」と、HARTのCEOアンドリュー・ロビンズ氏。同氏は17日に開かれた鉄道委員会で1631カピオラニに建設中の45階建てコンドミニアムと、カピオラニに繋がるコナ・ストリートを遮断する36階建てタワーの建設予定について言及した。

 ハワイ大学で交通エンジニアを努めるパノス・プレベドロス氏は、この状況を「お粗末な計画」だと話す。「鉄道の拡張について議論していますが、そもそも当初予定した路線を完成させる資金さえ欠いているのです。延長を検討するのは時機尚早でしょう」と述べ、代替ルートのアイディアなど1度破棄するべきだと語った。トレバー・オザワ氏を始めとする市議会議員達は2年間に及び鉄道延長問題について疑問を投げかけていた。「現状、大幅な変更をせずにハワイ大学まで鉄道を延長させる方法について明確な答えが出ていません。過去にHARTは線路をカピオラニ・ブルバードに通すと話しており、私達はこの通りで予定されている開発計画や植物への影響を懸念していました。HARTがやっと計画や周辺地域への影響を真剣に見直したことには喜んでいます」とオザワ市議会議員は述べた。

 ロビンズ氏は鉄道延長のためカピオラニへの代替ルートの研究と計画を始められるよう市議会の許可を求めている。地域の言論活動家ナタリー・イワサ氏は「かかる費用について全く話題に上がりません。どのくらいの規模での計画を望んでいるのでしょうか」と、コストへの懸念を露わにした。

 ロビンズ氏はハワイ大学やワイキキへの延伸計画を即時に開始する予定は無いとし、あくまでも提案を持ちかける議論だと話す。「私は延長の可能性を考慮せずに線路を敷設するのが堅実だとは思えません」と同氏は述べた。

 

(日刊サン 2017. 11. 25)