日刊サンWEB

過去記事サイト

ホノルル市、連邦の助成金活用できず差止めの可能性も

ホノルル市庁舎

 

合衆国住宅都市開発省(HUD)は9月、ホノルル市が連邦の低価格住宅供給助成金(HOME)の約240万ドルを使用する時期を逸したとする通告文書を市長へ送った。

さらにHUDは6日、ホノルル市は迅速に助成金を活用できる状態にないため、次期のコミュニティ開発包括補助金(CDBG)約750万ドルが交付されない可能性があると表明。都市管理ディレクターのロイ・アメミヤ氏は、2つの連邦の助成金を使用していない理由について、原因は提携した民間部門にあるとコメントした。

HUDの監査ディレクターが昨年提出した監査報告書でホノルル市のCDBG1590万ドルの使用状況が厳しく批判され、問題が発覚。2人の市議会議員は市政に対しHUDからの助成金の取扱いを改良するよう要請していた。

HOMEは低価格住宅を購入または改築する地方政府へ交付される助成金で、受け取ってから5年以内に使用するよう定められている。ホノルル市は毎年、約230万ドルを受領。しかし、今年の7月31日までに消費されるべき2012年に受領した237万ドルがまだ使用されていないと指摘された。HUDハワイ事務所のディレクター、ライアン・オカハラ氏は「期限内に助成金を使用していないため、事実上その資金を損失したことになります。期限まで再三警告し、回避案まで提案したのですが…」と述べた。

CDBGも同様に期限までに使用されないと懸念されるため、HUDは年間約750万ドルの交付を差し止めるかどうか検討中。HUDの助成金が対象とする年度は7月1日から開始され、5月2日の時点で年間交付金額の1.5倍以上の金額を翌年度に残さないよう求められているが、ホノルル市は2年連続でこの条件を満たしていない。

CDBGは低~中収入層のコミュニティのために設けられた助成金で、派出所やコミュニティセンターの建設、住宅の購入、改築に使用できる。しかし「コミュニティに基づいた開発組織」と認められた非営利団体が手掛けない限り、低価格住宅の建設には支出できない。

住宅問題委員会を率いるキンバリー・パイン市議会議員が市政から受けた説明によると、連邦の助成金の使用に適時性を欠いてしまった主な原因は助成金を割り当てた非営利団体が資金を使用しきれなかったからだという。

CDBGの使用期限が近づきホノルル市は、バンクーバー・ドライブとカモク・ストリートの不動産を低価格住宅にするために取得しようと試みており、購入手続きは第3者預託の段階まで進んでいる。パイン議員は「議会と市政がより良い資金管理のために協力し、確実に助成金を使用する時機を逃さない非営利団体と提携する必要があります」と述べた。

 

(日刊サン 2017. 10. 14)