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ホノルル市、放置されたビルの買収を検討 アフォーダブル住宅に転換か

ホノルル市は、アラワイ通り1615番の放置されているビルの買収を検討している。このビルは、オアフ島で最も高級なマンションの1つであるウオーター・マークと、改装されたばかりのアパートに挟まれたビルで、その敷地面積は約9千5百平方フィート。

 

約20年間放置されており、市計画・認可証発行局(DPP)や市警に苦情が寄せられている。 市土地計画局は、このオーナーとコンタクトを取りつつ、アフォーダブル住宅の建設を計画しているが、まだ検討段階であるという。

 

ニップ(Nip)のポテト・チップスで知られる中小企業のオーナーのノーマン・ニップ氏は、兄弟のアルビン・ニップ氏と姉妹のドンナ・チャン氏と共同でこの不動産を所有している。

 

ノーマン氏は7月、「この物件を売りに出したが、値段が折り合わなかった」と語った。また、1980年代に320万ドルと550万ドルのオファーがあったが、断わったとのこと。

 

同物件の現在の評価額は、建物が約27万5千ドルで、土地が約270万ドルである。 この市の計画が前進すれば、ワイキキにアフォーダブル住宅が追加されることになる。

 

市は昨年、地域開発包括助成金を活用し、エナ通り436番の8階建ての建物と駐車場を買収し、ワイキキで最初の市のアフォーダブル住宅開発プロジェクト(33戸のアフォーダブル住宅と付帯施設)を完成させた。

 

入居者の年収制限は、一人世帯で6万7500ドル、カップルで7万7150ドル。一方、20%の住宅はワイキキの一人暮らし及びカップルのホームレス用である。

 

DPPは6月、現地を調査し、2008年からの12件を超える苦情(草が伸び放題、ゴミ、落書き、建物が酷い状況)を精査し、6件に対し違反通知を発行した。

 

そのうち2件は改善命令に繋がり、約578ドル相当の罰金が課せられた。 1月以降、17件の建物への違法侵入・迷惑行為の苦情が警察に寄せられており、この放置ビルはこの地域に多大の迷惑を与えている。

 

ワイキキ近隣委員会のキャサリン・ヘンスキー委員は、「市当局が解決策を進めていることに満足している。建物の改築は早い方がいい。

 

また、アフォーダブル住宅を建設し、非常に長い間の懸案事項であるホームレス問題を解決してほしい」と述べた。 また、同委員会のジェフ・メルツ委員は、「それは単に景観の問題ではない。浮浪者が寝泊まりし、火災が起きる可能性もあり、目障りである。犯罪が増加する危険性がある。

 

住宅に改修され、アフォーダブル住宅やシニア住宅が建設されるのは素晴らしい」と語った。

 

(日刊サン 2019.10.02)