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フィッシャー ハワイ 店舗と倉庫のための新しい用地を2箇所確保

Bynikkansan

10月 24, 2015

ホノルルの事務・文具用品の小売店フィッシャー ハワイが、地主との立ち退きの件で争った後、新たな場所を2軒見つけた。

 

フィッシャーは、450クックストリートにある現在の店舗を日曜日に閉店し、月曜日に隣のブロックの690ポフカイナストリートに最初の店をオープンする。

 

創立約90周年となるフィッシャーは、現在の場所で40年近く営業しており、今回の移転でも、カカアコに残ることができた。そして、カメハメハスクールが2月に、信託から賃貸契約をしていた5万平方フィートの倉庫からフィッシャーに立ち退き要求の訴訟を起こしていた件が解決する。

 

「私たちは、このミュニティーの一部でいられることをとても喜んでいます」とフィッシャーのジェネラルマネージャーアル・ヒラタ氏は話し、「ここは私たちのルーツです。私たちは永遠にカカアコにいたいのです」と語った。

 

新しい店舗は、ハワイ・コミュニティ開発当局が賃貸契約していた前フレンズ・オブ・ザ・ライブラリーだった場所で、最近になってハワイ州当局が土地&自然資源課から賃貸空き物件として扱っていた場所を改装した。

 

フレンズ・オブ・ザ・ライブラリーは、カカアコビルが、高層アパートプロジェクトのために取り壊され、州の図書システムを担う非営利団体のための新しい場所が必要とされると予想されたため、その土地から立ち退き、昨年ハラヴァヴァリーへと移動した。

 

ハワイ・コミュニティ開発当局は、2棟の格安賃貸タワーの建設に伴い何年もの間その場所のリース契約を積極的に働きかけていたが、690ポフカイナと呼ばれるその建設プロジェクトに最低2年の遅れがでているためにテナントが決まらなかった。しかし、そのために今回フィッシャーがその場所を借りる機会を得ることができ、移転問題が解決した。

 

フィッシャーのハワイ・コミュニティ開発当局との賃貸契約は2年間。新店舗は、現存の店とほぼ同等のスペースであり、駐車場も同程度の広さとなっている。フィッシャーは、同時にダウンタウンのフォート・ストリートモールにも小規模な店舗を運営している。

 

マプナプナにある新しい6万平方フィートの問屋と流通施設が、カカアコの新店舗に供給することになり、マプナプナの三分の一のスペースは、今年の年末までに3軒目の店舗となる予定。

 

「多くの人が、私たちがビジネスを縮小していると勘違いしていますが、その逆で、私たちはビジネスを拡大しているのです」とヒラタ氏は語った。

 

長期的視点では、フィッシャーはカカアコに残り、ハワイ・コミュニティ開発当局と州の別の機関であるハイテクノロジー開発コーポレーションが構想中のハワイ大学癌研究センターに隣接する駐車場に建設予定のテクノロジーパークの中に出店したい考えだ。

 

フィッシャーのカカアコ存続は、この産業地帯が高層住宅地へと大規模に開発されることになり、それに合わせて、カメハメハスクールが、その一帯9ブロックを住宅と商業施設を混合したエリアにする計画をたてたことで脅かされていた。

 

 

ハワイで最大の地主であり、ネイティブハワイアンの子供達の教育に力を注いでいる公益信託は2月、フィッシャーが2014年7月で賃貸契約が終了していたにもかかわらず立ち退きを拒否したため、訴訟を起こした。

 

訴訟では、カメハメハスクールは、周辺ブロックの再開発のために敷地を返して欲しい旨を2009年にはフィッシャーに伝えていたと主張していた。

 

カカアコのカヴァイアハオ・プラザに本拠地がある信託は、サウス・ストリートの近くにあるスタッフ用駐車場を現在のフィッシャーがある場所に移動する必要があるとしている。カメハメハスクールは、もうすぐ着工されるコンドミニアムタワーに隣接して中間層用のアパートメントを現在の駐車場に建設する予定がある。

 

フィッシャーは、カカアコで38年間営業を続け、近くにある全米大手チェーンのオフィスディポやオフィス・マックスに対抗していた。

 

鉛筆や紙類から家具や事務用品まで5万点以上の商品を扱っている地元の企業であるフィッシャーは、1929年にマルチグラフィー・リスト&レターカンパニーというオフィス用品も扱う印刷会社として設立された。1933年にジオフリーC.フィッシャーとハイ・ホラウエイが買収し、フィッシャーコーポレーションと名前を変えた。印刷部門の売却や自社株式保有、1978年にロナルド・ホー一家の買収を含め、その後も会社の所有権は次々と変わっていた。

「フィッシャー・ハワイの新たなチャプターの始まりを楽しみにしています」とヒラタ氏は語っている。