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低価格住宅の財政を支援する州の機関ハワイ住宅金融開発公社(HHFDC)が、ハワイ州裁判所が所有するパワアの1.5エーカーの土地に建つ、衰退した少年矯正施設の再開発を担う業者を公募している。矯正施設とサービスセンターに隣接し低収入層向け賃貸アパートメントの建設を求めており、HHFDCは、デザインに170万ドル、建設費に1500万ドルを資金提供し、土地を年額1ドルで75年間貸し付ける。落札業者は新しい矯正施設を州裁判所へ年額1ドルで貸付け、住宅タワーの財務と運営を負う。州の会計一般サービス局の見積もりでは、250台の駐車場スペースを含む矯正施設と住宅タワーの建設費用は延べ8800万ドルとなる見込み。
HHFDCは開発業者には住宅建設計画を金融支援する、低価格住宅税控除等が適用されると予想している。入札期限は2月28日の午後2時だが、入札を希望する業者は11月20日までに入札意思を表明する必要がある。
HHFDCの掲げた条件では、アパートメントのうち約180戸はホノルルの中間年収の60%に満たない年収の世帯に65年間提供しなければならない。数字にすると1人世帯で4万3980ドル、2人世帯で5万220ドル、4人家族世帯で6万2760ドル以下の年収の世帯が対象。HHFDCのガイドラインに沿って1ユニットの家賃の最高限度額を算出すると、今年の場合はスタジオタイプが1099ドル、1ベッドルームタイプが1177ドル、2ベッドルームが1632ドルとなる。
矯正施設が並ぶこの土地を活用しようというアイディアが生まれたのは6年前。州は昨年、構想に伴う環境評価書を作成した。HHFDCの広報担当ケント・ミヤサキ氏は昨年通過した条令によって、同公社が他の州の機関と協力して複合施設を計画する可能性が広がったと話す。「裁判所と協力して、矯正施設と低価格住宅の計画を打ち出すのは完璧な施策です。活用が不十分な州の土地を再開発する機会だと捉えています」と同氏は述べた。
開発予定地はピイコイ、オルダー、エルムの各ストリートに面しており、市の鉄道のアラモアアナ駅予定地から半マイルの距離に位置する。既存の2つの建物が建てられたのは1949年で、少年矯正施設の機能はカポレイ家族裁判所隣接の施設に移っている。現況パワアでは小規模な2つのプログラムを維持するのみ。再開発計画では新しい矯正施設は、低層タワーで3万4000スクエア・フィートになる構想が掲げられているが、デザインに関しては開発業者が代替案を提出可能。環境評価書によるとHHFDCは開発同意書を締結及び業者の決定時期を4月と見込んでおり、建設着工は2019年後半、2021年完成を予定している。
(日刊サン 2017. 11. 25)