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パリのオークションでハワイ伝統工芸品は人気薄 2017年4月5日(水)

パリのアギューツ・ハウスで開催されたオークションに、ハワイの伝統工芸品が出品された。

しかし落札されたのは落札予想額のたった1割程度。3日間オークションに参加したバイヤーのM・メイガーさんは「恥ずかしい状況」だったと述べた。 キャプテン・クック探検隊の槍が6万ドルで売れたが、最大2百万ドルの価値とみられる1100点もの18世紀の遺物のうち、オークションで落札されたのは20万ドル程度だったとマシューさんは話す。

出品されたアイテムのオーナーは、マウイ島の収集家ライナー・ワーナー・ジェリー・ボックさん。彼は『世界最大のハワイ古美術のプライべートコレクション』と称された出品物のうち、落札されずに残ったアイテムの処置は未定だと話す。「皆さんの建設的なご意見を募集中です」とボックさん。

ハワイ人問題事務局(OHA)は6日、ハワイの伝統工芸品をパリのオークションで競売にかけることに対し異議を唱えた。

OHAはアギューツ・オークションにハワイ伝統工芸品の売買中止を求める決議を可決。さらにオークション主催団体と、スプレンダーズ・オブ・ザ・ワールド社を経営するボックさんに対し話し合いを求めた。

OHAのCEOであるカマナオポノ・クラッベ氏は、決議は法的な救済措置を検討した上で可決されたと述べた。「法的な問題にまで発展させたくはありません。しかし、ネイティブハワイアンのコミュニティからは、何とかハワイに残して欲しいという訴えがあります」と同氏。

OHAは出品されたアイテムを買い取って寄付する財源を模索中だという。

「私達には現状、工芸品の一部を吟味して買い取る予算さえ持ち合わせていません」とOHA委員会メンバーのコレット・マチャド氏。

アギューツ・オークションはメールで競売は成功したと述べているが、内情を知る人達はバイヤーからの興味は高くなかったと評している。ボックさんも落札結果は良くなかったとの認識だ。

パリではネイティブハワイアンによる抗議活動も起きた。OHAの決議には法的強制力はないが、クラッベ氏は出品されたアイテムの文化的な重要性への注目が高まることを期待していると話す。

出品されたアイテムの多くは、ハワイの君主や首長からの贈答品だという。

「ネイティブハワイアンとしてOHAは、美術品保存者又や管理責任者に、より深くハワイ伝統工芸品の価値を理解して頂けるよう提唱しています」とクラッベ氏は述べた。

写真引用 www.sandrawagnerwright.com