6年前に住宅と商業店舗の複合施設『タウン・センター』を計画し失敗に終わったハワイ大学近くのモイリイリ6.5エーカーの再開発を、カメハメハ・スクールが再び計画している。
ネイティブ・ハワイアンの子ども達の福祉を目的とした信託協会が31日、パックス・アレーとユニバーシティ・アヴェニューのエヴァ側を含む区画の再開発要請案を提出した。成功すれば、現在オフィスやアパート、小規模店舗が並ぶ区画が100万スクエア・フィートの新しい商業、住宅、教育、コミュニティのスペースに変わる。
「大学エリアに入る活気あふれるゲートウェイになるでしょう」と、カメハメハ・スクールの広報担当アロン・ドーテ氏は語った。
現在このエリアでビジネスを営むテナントは、計画は知らなかったが地主がここ数年間より高い賃料を得て信託協会の収益を増やす為に再開発に興味を示していたことには気付いていたと話す。パックス・アレーの飲食店オーナーは「この5年間開発されるかどうか、あやふやな状態が続いていました」と述べた。地元の魚や豚肉を販売するアヒ・アサシンズ・フィッシュを営むジョッシュ・シェードさんは、再開発になれば店舗を移転する必要があると話す。彼は近隣を活性化させる再開発は支援するし信託協会は良い地主だったが、新しい複合施設の賃料は払いきれないという。開発予定地には他にも、バーガー・キング、ジフィー・ルーブ、ビア・ラボ・ハワイ、ブレイジン・ステーキ、ニジヤ・マーケット、ザ・グリーク・コーナー、クリームンロール等が並んでいる。
中にはファーム・トゥ・フォーク・ケータリングやスタディ・ホール・スポーツ・グリル・アンド・バーの様に既に移転の準備を始めている店舗もある。
ハワイで民間最大の地主であるカメハメハ・スクールは、商業不動産事務所JLLを通し、夏まで開発業者や投資を募集。
ハワイ大学には学生街が必要
ドーテ氏は、再開発の提案が承認された場合、詳細の交渉やデザイン、資金、許可の準備が整って着工が始まるまでには数年間かかると話す。「現在は計画の初めの1歩といった段階です」と同氏。2012年にも同様の再開発計画が浮上し、カリフォルニアを本拠地とするフェスティバル社が開発と運営を担って映画館を含む7階建ての複合商業施設が計画された。同社が当時名付けたモイリイリ・ゲートウェイ計画の名を、信託協会は今回の再開発の初期構想で再び使用している。地元開発業者のピーター・サヴィオ氏は、ハワイ大学との関係を強化したエリアに変えれば大学がより改善されると話す。「大学街が必要なのです。現在は大学生のためのエリアが周囲に無いことが、ハワイ大学の欠点となっています」と同氏。
パックス・アレーは1973年に建てられ、土地は開発業者のリース権が切れて以来カメハメハ・スクールが所有している。ベレタニア・ストリートに面しユニバーシティ・アヴェニューが交差する土地は、信託協会が数十年前に開発業者に貸し、最近になって完全な所有権を取り戻した。ヴァーシティ・オフィス・ビルディングの建つ区画とヴァーシティ・シアターはコンソリデイティッド・シアタースの提携会社ロバートソン・プロパティーズ・グループが所有していたが、2007年に信託協会が買い戻している。
(日刊サン 2018.02.13)