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バケーション用別荘の販売数が増加

マウイ島カアナパリ@shutterstock

 

 

ハワイ州全体のリゾート開発エリア内別荘物件の売上を集計した住宅市場の研究員リッキー・キャシディ氏の報告書によると、今年の上半期、主に第2四半期の販売数が18%増えて、昨年上半期の682件から807件となった。しかし、価格はここ数年停滞しており、1〜3月期の平均価格は120万ドル台だった。

 

約10年前の世界同時不況後に経済が回復して以来、ハワイの観光産業は数年に渡り観光客数と消費額の記録を塗り替えている。「それを踏まえると、リゾート物件の販売増加はもっと早期に起こると予想されていました。それより長い時間は掛かりましたが、これまでより多い販売数は素晴らしいですし、驚きです。販売数の上昇を待っていました」と、キャシディ氏。

 

リゾート物件販売数が増えなかった一因は、多くのリゾートエリアがある隣島で開発業者による在庫供給がほどんどなされなかったことにある。しかし現在は、カナダ本社のブルックフィールドホームズ社をはじめ、いくつかのデベロッパーが開発に非常に積極的で、この販売量増加の大半はハワイ島とカウアイ島のコンドミニアム開発計画によるものだった。

 

報告書の数字は新規・中古コンドミニアム、一戸建て、ハワイ島マウナラニやマウイ島カアナパリ、カウアイ島プリンスビル、オアフ島コオリナのようなリゾート開発地区内の宅地の販売を含んでいる。

 

ハプナリアルティ社のマツモト・トモコ代表は、来年ハプナビーチプリンスホテルが4600万ドルで譲渡され、ウェスティンハプナビーチリゾートとして新たにオープンするまでの間に、マウナケアリゾートの191区画が市場に新たに供給されるのは良いタイミングと評価する。

 

カリフォルニア本社の不動産開発業者、ウエストポイントインベストメントコープ社は、最初にマウナケアリゾートのゴルフコース沿い11区画を79.5万ドルから130万ドルの価格帯で売り出し、その後オーシャンフロントのホテルの一部を60戸のコンドミニアムに改築し150万ドルから700万ドルで販売している。さらにプレジデンシャルスイートとして使われていたオーシャンフロントの離れの建物を約11,000平方フィートの住宅として1900万ドルで値付けしている。マツモト代表は、この宅地のうち3区画はすでに予約を受注、またコンドミニアムの販売予約もすでに始まり、1900万ドルの住宅が今年末にはいよいよ市場に出ると期待されていると語った。

 

キャシディ氏によれば、来年は他の新しいリゾート開発計画はあまり予定されていないことから、市場に出ている既存のリゾート別荘に対して買い手間での競争が起こり、価格は上昇するとしている。今年の販売数はここ3年で最も多い、1300件から1400件と予測している。これまでの最大の販売数は2005年の約2300件だった。

 

(日刊サン 2017. 9. 30)