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ハワイ経済ニュース:ハワイ訪問者数 年間1000万人を超えるペース

3月の訪問者数が24日に発表され、月間訪問者数としては最高記録の90万3,550人だったことが明らかになった。

 

これまでの最高記録は昨年7月の89万1,878人で、通常さほど訪問者数が多くはない3月にこの記録を超える事態に、年内に訪問者数1,000万人を超える可能性が高まった。昨年の年間訪問者数は938万人。 訪問者数を後押しした原因の1つとして今年はイースターの休日が4月ではなく3月となったことが挙げられている。しかし最も大きな要因は航空座席の増加が考えられる。3月の太平洋を渡る航空座席数は約12%増加し、合計120万席に。月間航空座席数の記録も塗り替えた。さらにサウスウエスト航空は24日、ホノルル、リフエ、コナ、カフルイを発着する便を今年後半に就航させると発表している。ハワイ観光局(HTA)によると、ハワイ市場に2018年に追加される航空座席数は60万席以上となる見込み。現時点で産業経済開発局が予想する今年の訪問者数は960万人だが、HTAのリサーチ・ディレクター、ジェニファー・チャン氏は「サウスウエスト航空を含む航空各社の座席数の追加が続けば、今年1000万人を超える訪問者数を迎える可能性があるでしょう」と述べた。ハワイは近年6年連続で訪問者数と訪問者消費額数で記録を樹立し続けているが、今年はさらにこれまでの記録を塗り替える勢いがある。この成果はHTAの誇りであり、観光経済に頼っている人々にとっては大きな朗報だ。雇用や民間投資、税収が増加し、州の財政が潤い地域への支出も増加する。

 

一方で住民の中には交通渋滞、駐車場不足、ビーチの混雑、ハイキング・トレイルの荒廃、ヘリコプターや飛行機の騒音、インフラの消耗を懸念し訪問者数の急増を喜ばない人もいる。またバケーション・レンタルの増加を呼び、地域の環境が変化するのではと不安を抱く声も。観光業界では受け入れ人数を増加させる挑戦が続く。ハワイ国立火山公園の管理者シンディ・オーランド氏は、昨年の入園者数が200万人を超え、2,020人の雇用を支え地域経済に積算で2億2,200万ドル貢献したと述べる。しかし「自然資源へ与える影響も大きく、インフラが対応できる人数にも限りがあるため大量の入園者は望んでいません。私たちは質が高く安全な体験を皆様に提供したいのです」と加えた。KV&アソシエイツ、ホスピタリティ・コンサルティングの代表キース・ヴィエラ氏は、受け入れキャパシティが懸念事項であることは認めながらも、州経済の核である観光を弱体化させないため州が費用をかけ注力していく必要性を主張。「この勢いを失えば相当な影響が及びます」と述べた。

 

(日刊サン 2018.05.05)