ハワイ観光局(HTA)の契約するマーケティング企業が、2018年は特にネイバーアイランドに発着する航空座席が増加し、ハワイの観光業界は成長を続けると予想した。
ハワイ・コンベンション・センターで7日に開催されたHTAの春季マーケティング報告会では、州が先月発表した観光業の予想数値を上方修正した理由が強調された。産業経済開発観光局は、今年の第1四半期の訪問者数が2.7%、観光客消費額が4.5%増加すると予想している。HTAのマーケティングと制作開発を担当するレスリー・ダンス氏は「私達が着目する10の市場の、全ての項目が大きな機会があることを示しています。私達はこの機会を最大に活用するため戦略的に取り組んでいます」と語った。HTAは今年の観光特別予算8200万ドルのうち約6000万ドルを支出する予定。プリーザント・ホリディ社代表のジャック・リチャーズ氏はHTAの投資とブランディングが成功を呼んだと語る。1月は今までのハワイ観光業界の中でも最高の月でした。昨年私は2018年にハワイは記録を樹立すると予測しましたが、現実となりそうな状況です」と同氏。
ハワイズ・サウザンド・フレンズ社のドナ・ウォン氏は、観光業の成功で得た増収はマーケティングよりも資源への投資に回すことでバランスを取るべきだと話す。「ハワイの島々の資源は保護や配慮が必要です。何もせずに観光客を呼び寄せ続けるべきではありません。現在バランスは崩れ不公平な状況です」HTAのダンス氏は、ネイバーアイランドには成長の余地があるためマーケティングを促進するよう契約企業に呼び掛けていると話す。同氏によるとネイバーアイランドに予定されている航空機の就航や増便により今年の航空座席数は9%増加し約1320万席に上ると予想され、州全体の成長を後押しするという。このうち970万席はネイバーアイランドへの観光客の大半を運んできた北米市場の発着とされている。
ハワイ・ツーリズム・ジャパンのディレクター、エリック・タカハタ氏は、エリソン・オニヅカ・コナ国際空港に国際便の発着が再開されて以来、ハワイ島を訪問する日本人が増加していると述べた。同氏を含むカナダ、ヨーロッパ、オセアニア、アジアの各国のマーケティングを請け負う企業は、各島々のバランスを取ってマーケティングを行っていると話している。ネイバーアイランドの成長が予想される中でも、2018年も大多数の観光客が訪れるのはオアフ島となるだろう。北米からの観光客がオアフ島やネイバーアイランドの訪問者の最多数を占めるであろうことも疑う余地がない。HTAでブランド・マネージャーを努めるキャロライン・アンダーソン氏は、ハワイの主要な国内市場が強い経済的基盤を持っていると話す。航空会社の運航増加が見込めるため、石油価格が1バレル60ドル前後に抑えられていることも好材料だと加えた。ハワイ・ビジターズ・アンド・コンベンション事務局は引き続き、ニューヨーク等ハワイに訪れることの少ない市場の観光客の招致を計画している。 エアー・カナダが7日、カウアイ島に季節限定便を就航し、カナダ西部からハワイへの発着を2倍に増便すると発表。北米市場からさらに増収が見込める朗報となった。ハワイ観光業の4大市場は、アメリカ西部、アメリカ東部、日本、カナダ。HTAの発表によると、2018年はどの市場からも訪問者数が2〜3%増加し消費額が4〜5%増加すると予想された。
(日刊サン 2018.03.21)