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ハワイ州議会、 気候変動ドキュメンタリー作成を承認

Bynikkansan

6月 15, 2019

州議会は、気候変動のハワイへの影響を警告するドキュメンタリー映画(6部構成)の予算、13万5千ドルを承認した。 制作会社は、シエラ・クラブ・オアフ支局の元会長、アンソニー・アアルト氏が率いる民間映画製作会社のグリーン・アイランド・フィルムズ社で、タイトルは「ピリキア」。同氏がプロデューサーを務め、監督はマイク・ヒンチーである。 アアルト氏は、「気候変動という第三次世界大戦が始まった。それは私たち世界の未来への戦争だ」と述べた。 同氏は、2017年のテキサス州のハリケーン・ハーヴェイ、同じ年のドミニカのプエルトリコとアメリカ領バージン諸島のハリケーン・マリア、昨年のカリフォルニア北部での山火事、昨年4月のカウアイ島の北岸の豪雨を例に挙げた。

 

「私が戦争との類似性を上げる理由は、第二次大戦の時には、全員が生存のための闘争であることを理解していたという事である。大人から子供まで、それぞれの役割を理解し、実行していた」と語った。 今後数年間の地球温暖化により人類滅亡の脅威に直面するという科学的根拠があることを考えれば、我々は世界大戦と同じような状況にある。制作するドキュメンタリーは、その危機をハワイの住民全員に伝えるものである。「それを防ぐことはできる。勝つ唯一の方法は、全員が参加し、全員がやる気を発揮することである」と同氏は述べた。 ハワイ・ニュース・ナウのリック・ブランギアルディ社長は、KGMB、KHNL、KFVEのプライム・タイムで、このドキュメンタリーを2回放映する、と語った。同氏はまた、ハワイのビジネス・リーダー達を6月20日のプレゼンテーションに招待して、今回可決された州予算を補完するための「官民の連携」を後押しし、プロジェクトの資金集めの支援をすると述べた。 問題は、人々は生きるために精一杯で、差し迫った問題以外のことに集中するのが難しいということである。しかし、個人個人がその気になれば、状況は変化する、とアアルト氏は力説した。

 

さらに、本当に気候変動に影響を与える「大きな仕事」は、政府や企業によって行わなくてはならない、と同氏は述べた。 例えば、増税をし、海面上昇を抑制し、沿岸高速道路を移動させるためのインフラ整備にもっと金をかける、とかである。 「これらは、大衆の強い後押しがなければ実行されない。このドキュメンタリー・シリーズを通して、私たちが個人としてできることの例を挙げ、何故まだ希望があるのかを啓蒙していく予定である」と同氏は語った。 グリーン・アイランド・フィルムズ社は、既にハワイのホームレスとホノルル高速鉄道のドキュメンタリーの制作を完了したが、この気候変動のドキュメンタリーの撮影を8月までに完了し、その後数カ月を使いポスト・プロダクション作業を行う予定である。

 

 

(日刊サン 2019.06.15)