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ハワイ州訪問者増加 観光業管理がキーに

Bynikkansan

9月 14, 2019

7月のハワイ州の訪問者数と訪問者支出は、昨年11月に続き、ともに増加した。 8月末に発表されたハワイ州観光局(HTA)の予備統計によると、7月の訪問客支出は昨年同月から2%以上増加して17億ドルとなり、訪問者数は6%以上増加し99万7872人となった。 7月単月の訪問者支出は増加したが、1-7月の訪問者支出は前年同期比1%以上減り、約106億ドルになった。

 

一方、1-7月の訪問者数は、ほぼ5%増加して約620万人になった。1-7月の訪問者数増/訪問者支出減という傾向は変わっていない。 HTAは、訪問客の滞在経験の向上、地元の住民感情の重要視、訪問客数より支出の優先、という目標を挙げているが、この訪問者支出の減少傾向はこの目標とは反した結果となっている。

 

この新しいHTAの目標を実行するために、ハワイ観光コンベンション協会(HVCB)は、HTAおよび郡政府と協力して、「クレアナ」(ハワイ語の責任と言う意味)と呼ばれるキャンペーンを通じ、訪問客のハワイ到着後の滞在経験の質の向上を目指しいる。

 

このキャンペーンは、12月にマウイ島で始まり、6月にカウアイ島、オアフ島、ハワイ島で開始され、ポノ(優秀、真心のハワイ語)観光に関する教育ビデオが使われている。このビデオは、観光客の文化や環境への意識を高めること、海での安全確保、違法なバケーション・レンタルの禁止、訪問者数の増加に伴う地域の問題等を訪問客に訴え、天然資源を保護し、ハワイ文化を永続させることを最終目標にしている。

 

クレアナ・キャンペーンは、2年間継続しているHVCBの「ハワイ・ルーティッド」(ハワイに根差した)キャンペーンと繋がっている。「ハワイ・ルーティッド」では、訪問者が、ハワイを深く理解するために、「地元の人々がどのように、どこで生活し、遊び、食べ、リラックスするのか」を体験することを狙っている。

 

新マーケティングの背景には、訪問者の増加がもたらす地元へのマイナスの影響(騒音、交通混雑、インフラへの負担増等)を軽減する意図がある。

 

 

 

(日刊サン 2019.09.14)