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ハワイ経済ニュース:ハワイ州観光局が加、欧州向け予算を削減

ハワイ州観光局(HTA)は、カナダとヨーロッパ向けのマーケティング予算を削減し、その削減分を観光の多様化対応や地域社会に貢献するプログラム導入などに優先投資している。

HTAは、カナダ向けマーケティング予算を220万ドルから80万ドルに削減し、その削減分の約140万ドルをハワイの若者のためのキャリア開発と東南アジア向けのマーケティングに充てる予定である。また、ヨーロッパ向けマーケティング予算を85万ドルから40万ドルに削減し、その削減分45万ドルを他の計画に充当すべく検討している。

ヨーロッパからの訪問者数は2018年に3%以上増加して14万4182人となったが、ヨーロッパはハワイの観光業界にとっては小さな市場である。

カナダは、アメリカ西部、アメリカ東部、日本に次ぐ第4位の市場である。2018年の訪問者数は3%近く増えて53万3879人となり、支出は6%近く増えて11億ドル近くになった。しかし、カナダからの訪問者数と支出額は12月と1月にともに減少した。

HTAのクリス・テイタムCEOは3月7日、カナダ向けマーケティング投資は昨年3倍に拡大したが成果が見られなかったので、以前の水準の年間80万ドルに戻す、と語った。

HTAの前経営陣は2016年に、長年アメリカ本土とカナダのマーケティングを担当していたハワイ観光コンベンション・ビューローからカナダ市場を引き離し、VoXインターナショナル社にカナダ向けマーケティングを委任し、多額の資金を注ぎこんだ。

カナダの経済成長は鈍化し、消費者信頼感指数は2017年と2018年に比べて低下しており、ハワイへの訪問者数・支出額は減少している。この傾向は昨年第4四半期から続いており、今年の第一四半期でも改善の見込みはない。

HTAは、カナダ向けマーケティング予算の50万ドルを使い、公立高校奨学金プログラムを開始するために、ハワイ・ロッジング&ツーリズム協会と提携する計画である。そのプログラムは、ハワイの観光業界で働きたい高校生がハワイ大学システム内の大学で勉学できるように支援するもので、ハワイからより多くの観光業界の幹部を育成する目的である。

HTAはまた、カナダ市場向け20万ドルを使い、期限が切れたエイヴィア・レップス社との契約を更新し、東南アジア向けマーケティングを再開する。

「クアラルンプールのエア・アジアがハワイ航路を就航したが、乗客数は少なく、苦戦している。同航空は我々のマーケティング予算に不満を表明しており、HTAは東南アジア向け予算を増やした」とHTAのリック・フライド理事長は語った。

HTAは新興市場への投資を継続する予定である。

(日刊サン 2019.03.23)