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10月に胆管癌(肝癌の一種)と診断された55歳のマイケル・ヒギンズ氏は、毎年184人が罹病しているこの不治の病の患者の一人で、6カ月間の化学療法を行い、現在は放射線治療を行っているが、自分自身を含む約1,000人のハワイの住民がなぜ肝癌に罹病したかについて知りたがっている。
デイビッド・イゲ知事は7月8日、ハワイ大学癌センターに初めて州議会の資金を提供し、ハワイが全米で肝癌の発病率が最も高い州の一つである原因の調査・研究を行う法案に署名した。ハワイ州議会は、この3年間の調査研究の資金の内、初年度である今年度用の35万ドルを承認した。 「それは老人の病気ではない。20代や30代の若者が罹病しており、重症で再発率が高い恐ろしい病気である。もしその原因が究明できたなら、それはハワイの多くの住人にとってだけでなく世界の人々にとっても重要な発見になるであろう」とヒギンズ氏は語った。
ハワイでは他の癌は減少しているが、肝臓癌は年に1%から2%の割合で上昇しており、この率は全米平均より30%以上高い。罹病率と死亡率が最も高いのはネイティブ・ハワイアンの男性と中国人の女性であり、研究者は環境に関連していると考えている。 肝癌は最も一般的にはB型およびC型肝炎ウイルスと大量のアルコール摂取によって引き起こされるが、研究者らはこれ以外の原因を調査研究する。調査対象は、肝吸虫、魚・エビ・クレソンなどの野菜に付きやすい寄生虫も含まれる。
研究者はまた、アフラトキシンについても調査する。アフラトキシンは、不適切に保管された古い米、穀物、ナッツに発生するカビで、暑い湿気の多い地域で多くみられる。それは、肝臓に慢性的な炎症を引き起こし、何十年後には肝がんを引き起こすことがあるが、明らかな症状は見られない。
(日刊サン 2019.07.20)