イースト・ハワイ地区は 8月24日、ハリケーン・レーンによる3日連続の豪雨、ハイウェイの浸水、全家庭での停電、ヒロ湾周辺の3つの汚水廃水ポンプ場の汚水漏れに見舞われた。
ヒロ地区のピイホヌアとリード島の数十人の住民は8月23日夜、水位が危険水位を超えたため避難を余儀なくされた。ハワイ島西を通過したハリケーンは、8月24日時点で時速5マイル以下に減速し、既に降雨で危険な状態になった島にさらなる雨を降らせた。「イーストサイド、手の施しようがない」と、のろのろハリケーンにやきもきしたキム郡長は述べた。「誰もが家にいる。ヒロの高級住宅地リード・アイランド周辺では洪水のため約40人が避難し、島のウインド・ウォードでは激しい雨が降り、東部の道路が閉鎖された」イースト・ハワイのハカラウでは、8月24日午前10時までの48時間の降雨量が33.7インチに達した。ヒロ空港では、48時間に19.95インチ、ヒロ郊外のワイアケア試験所では8月22日朝から8月24日朝までに28.44インチ、ホノカアでは29.28インチの降雨を記録した。ロサンゼルスに在住で、両親とともに初めてヒロを訪れていた9歳のマシュー・クロフォード君は、リード島から避難した。「ちょっと怖かったし、いやな感じだった。水があっちこっちから押し寄せてきた」マシュー君と両親は、8月21日友人2人と滝とワイルク川を見下ろす家にチェックインした直後に豪雨が始まり、川はうねり、近くの斜面に4つの滝ができ、隣の家の芝生に「川」が出現した。「私たちの左に、右に、そしてドライブウェイに水が押し寄せてきた」消防署から避難の指示を受け、クローフォーズ一家と友人たちはライフジャケットを着て、消防隊員とロープの助けを借り、水の中を家から脱出し、ホテルに運ばれた。荷物とレンタカーは家に残してきた。
8月24日、パウカア、ワイルク、プヒ湾の下水道ポンプ場が浸水。パウカウのポンプ場では、汚水が周辺に流れ出し、救援隊が汚水の清掃や海への掃き出しに務めた。流出した汚水の量は分かっていない。ハワイ島電力公社広報担当クリステン・オキナカ氏によると、22日の大雨で約9,500戸の家庭と企業が停電に見舞われ、23日・24日の天候悪化で停電はより広範囲に広がった。大半が木や枝が電線を切断したためである。24日夕方までには約60戸を除き全ての家庭・企業に電気が戻った。ハワイ島を横断するダニエル・K・イノウエ・ハイウェー(サドルロード)では、地滑りで岩や瓦礫が道路に押し寄せ、23日夕方10.5マイルの区間が閉鎖された。しかし24日午前6時30分前に開通した。ヒロとワイメアを結ぶ主要道路のハイウェイ19号も、ハマクア・コーストに沿った数か所が閉鎖された。ワイアヌアヌエ・アベニューは、アコレア・ロードの上の部分が22日短期間閉鎖され、ヒロの上の住宅地が孤立した。24日夜ヒロでは豪雨が続いており、地すべりのためにノース・コハラのアコニ・プレ・ハイウェイの1車線のみが通行可能で、プナのノース・クラニとサウス・クラニの道路は閉鎖された。 郡はハワイ島に11の避難所を開設したが、24日午後遅くには避難所には16人が残るのみとなった。
(日刊サン 2018.09.01)
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