ハワイ島東部に噴火の被害が広がって4週間近くになるが、25マイル離れた南部でも降り注ぐ灰や噴石の被害が発生している。
5月9日以降パハラ、ナアレフ、オーシャン・ビューでもキラウエア火山山頂のハレマウマウ・クレーターから噴出した灰や石が確認されており、住民の多くは健康への影響に不安を抱え政府の対応に不満を漏らしている。ハワイ郡当局はカウ地区の住民に防塵マスクを配布し、降灰が続いている間の外出を控えるよう呼び掛けた。しかし住民は今後の降灰の予想や健康への影響といった、より現実的な情報や警告を求めていた。
カウ高校とパハラ中学校で30日夜、灰や健康への影響について詳しい専門家が住民を前に説明会を開催。灰は毒性がなく肌を乾燥させるが火傷は負わせない、肺にも影響しないと述べた。また、住民の質問に答えたアメリカ地質調査所(USGS)は、5月9日以降大規模な噴出が9回起きたと報告。5月17日には灰が3万フィートの高さまで噴出し、28日にも1万フィートの高さまで噴出し、パハラでは6回の降灰が観測された。
USGSは降灰予想を1日に2回、風の情報と共にアップデートしているが、アラスカの噴火データを基にした算出でありキラウエアの活動とはスタイルが異なるため公式な予報とはされていない。
当局が勧める火山対策は外気を遮断するシェルターを設置することとしているが、クリーンルーム800~900スクエア・フィートの価格は800~1500ドルに上る。
住民はダクト・テープやタオル、段ボールを住宅のドアの隙間や窓に貼る等の手を尽くしている。保健局の傷病予防課チーフは「ガスや灰への接触を最小限にすることが一番の対処法です」と述べた。
(日刊サン 2018.06.09)