5月3日から発生しているキラウエア火山の噴火を受け、6月のハワイ島の訪問者数は5%減少。ハワイ観光局(HTA)は対抗策として、新たに120万ドルをマーケティングに追加投資すると発表した。ハワイ島以外の訪問者数は増加を続けており、6月のハワイ州全体の訪問者数は7%増加した89万7099人に。消費額は16億ドルを超え前年同月から10%以上増加させた。 今年の半年間の航空座席数も前年に比べ10%以上増加しており、1年の中間実績も好調な数字を残している。6カ月間の合計訪問者数は500万人弱で前年同期から8%増加。消費額は11%増加した93億ドルだった。それでもハワイ島の下降傾向は関係者の不安を呼んでいる。ハワイ・ビジターズ・コンベンション・ビューロー(HVCB)のCEOジョン・モナハン氏はHTAの委員会へ、予約ペースが驚くほど下降しており早急な対応が必要で溶岩観察スポットの開設を待つ余裕はないと告げている。 今後ハワイ島観光は、観光客が溶岩流に近づいて観察できるかどうかが要となるとみられる。州と郡は1カ月間安全な観察エリアの特定に務めたが、公開するのは尚早だと話す。現在、火山の脅威を観察するにはヘリコプターかボートを利用するしかない。ハワイ国立火山公園の大部分も閉鎖が続いている。モナハン氏によれば、ハワイ島の宿泊予約数は4月に前年比20%増加したが5月には46%、6月には43%減少したという。「火山ガスによる大気の環境や火山観光が出来ないことがキャンセルに繋がっています」と同氏。グループ旅行や日本人観光客のキャンセルが特に打撃となっている。ハワイ州観光局日本支局(HTJ)のエリック・タカハタ氏は、日本からハワイ州を訪れる人は6月には3%増加、6カ月間では7%増加したと明かす。しかしハワイ島への日本からの訪問者は6月には8%、半年間では5%減少している「今年は日本からハワイ州への訪問者数が10%以上増加する見込みでした。マーケティングの追加投資はダメージの拡大を抑えます。新たな火山観測スポットが極めて重要です。現在は火山以外のハワイ島の魅力の強調に務めていおり、ハワイアン・エアラインズと日本空港の日本とコナ間を結ぶ直行便が維持できるよう手を尽くしています」と同氏は述べた。
写真・参考サイト:photo by USGS
(https://volcanoes.usgs.gov/observatories/hvo/hvo_volcano_watch.html?vwid=1375)
(日刊サン 2018.08.11)