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ハワイ島でガイドが 有毒ガスにより死亡

Bynikkansan

2月 13, 2018

ハワイ島で1日、溶岩流ウォッチングの観光客をガイドしていた男性が死亡。ハワイ郡警察が死亡原因を調査している。

 

死亡したのはショーン・キングさん51歳。溶岩原で午前4時ごろ3人の観光客をガイド中に倒れたという。当時現場は大雨に見舞われ、活動中の溶岩流から白い蒸気が噴出し『ホワイト・アウト』と呼ばれる現象が起きていた。ハワイ火山観測所で副責任者を務める科学者のスティーブ・ブラントレー氏は「近くの溶岩チューブから吐き出される硫黄ガスが雨と化学反応を起こした可能性があります。活動中の溶岩流がある場合、特に強い反応が起こります」と語った。エピック・ラバ・ツアーで溶岩ツアーガイドを務めるジョン・ターソンさんは「溶岩減ではどこにいても蒸気雲が発生する可能性があり、酷い時は自分が地面に踏み出す足が見えないこともあります」と話す。

 

キングさんと同行していた3人は視界と携帯電話の受信状況が悪かったため、警察に通報するまで慣れない道を数時間歩かなければならなかった。キングさんが発見されたのは、カラパナ観測エリアで、ハワイ国立火山公園の敷地から300ヤード離れた地点。本土から訪れていた3人は、医師の診療を受けたが命に別状は無かった。

 

警察はこれから検死を行い死亡原因を特定させると述べたが、科学者達は大雨と溶岩によって発生した有毒ガスが原因だと予想している。

 

「直接の原因となった有毒ガスの濃度を特定するのは困難です」とブラントレー氏。蒸気雲が発生すると周囲の気温も100度以上に上がり、視界も奪われるという。「地割れがあらゆる箇所に発生していて、濃いガスや蒸気に囲まれると歩行が大変困難な状況になります」と同氏は加えた。

 

ターソンさんを含むガイドや写真家の仲間たちは、キングさんが好んで写真を撮影していた場所にレイを捧げ、追悼した。「これからは、彼が永遠にあの場所で私達の安全を支えてくれていると感じています」とターソンさんは述べた。

(日刊サン 2018.02.10)