2月9日から11日まで開催されたハワイ大麻エキスポで、複数の業者が種を含む大麻製品を違法に流通させた疑いが浮上した。州の薬物取締課が捜査を開始している。
エキスポにはオアフ島の公認医療大麻薬局3つを含む100以上の企業が参加。そのうちの複数の企業が寄付をした人に種を配布するなど、娯楽目的の消費者に流通させる可能性がある行為が起きていた。
州の保健局は、イベントで違法な販売が行われた可能性と「訴訟を懸念している」と司法長官事務所と警察に報告。法律では、医療大麻の使用許可のカードを持つ登録者が保健局の定めた公認薬局からのみ、大麻を購入することが許されている。
100以上の関連企業が参加、 1万人が訪れる
エキスポ主催者の1人アル・メデイロス氏は「私達のゴールは大麻植物から得られる数々の効能を周知し、参加者にハワイで大麻を安全に使用するための正確な情報を提供することです。CBD(カンナビジオール)オイルや大麻、癌、家庭栽培技術に関するセミナーを開催する為、世界中から専門家を呼びました。医療大麻の使用許可を持つ州内の2万人以上の方々は、家庭で自分用の大麻の栽培が認められています。今年は100以上の業者が家庭栽培のための器具や情報を提供しました。イベント中は争いや盗難も無く、会場では規則が守られていました。今後のイベントでは全ての関係者と協力し、指摘された問題に対処します」と述べた。
エキスポにはおよそ1万人が訪れ、専門家や医師、言論団体による講演や患者登録の支援、症状別に最適な株種の紹介等が行われた。
オアフ島の公認医療大麻薬局の広報担当ヘレン・チョー氏は「大麻薬局が認可制である理由は、未試験の安全性の低い製品の流通を防ぐためです。違法に大麻を配布するような行為が行われればエキスポの正当性は失われます。ブラック・マーケットの販売を行ったようなもので大変非常識で不公平で、業界全体の成長力が奪われます。大麻業界はハワイ経済の柱となる可能性を持っていますが、このような状況では衰退していくでしょう」と述べた。
(日刊サン 2018.03.03)