アリューシャン列島で、マグニチュード9.0以上の地震が発生した場合に起こる、巨大津波によるハワイでの被災者は30万人以上に及び、4000億ドルの被害に及ぶとされている。 このような災害はどのくらいの可能性で起こりうることなのだろうか? ハワイ大学マノア校の研究者チームが5年をかけて、この疑問に答えようと研究を重ねている。
そして、今週発行された研究結果では、この先50年の間で起こる確率は9%とした。 「稀なことであり、全く起こらないかもしれませんが、でも、起こる可能性もあります。我々は、その可能性が一体何なのかを定義することに全力を注いでいます」と地球物理学者のレット・バトラー氏は語った。バトラー氏は、2011年3月に日本で起きた震災と津波で、1万5千人の人たちが犠牲となったことを受けて、ハワイでの巨大津波の危険性の研究を始めた。
研究者たちは、ハワイとの距離や津波が発生する場合、直撃することを考えてアリューシャン列島に焦点を当てている。 ハワイ大学の地質学&地球物理学のニール・フランザー教授は、アリューシャン列島の地震と津波に関してはあまり心配する必要はないとは言いながらも、「しかし、アリューシャン列島はとても近く、避難する時間がないので、とても重要なのです」と述べた。 実際に専門家は、アリューシャン列島で地震が起きた後、津波がハワイに到着するまでに約4時間しかなく、その間に住人たちは高台に避難しなければいけないと推測している。
この研究は恐怖心を与えるためのものではなく、我々が普段から心がけ、いつでも避難の計画を立てるようにと喚起する目的のものである。 チームは次の段階として、太平洋で比較的小規模の地震が起きた時に起こる、ハワイへの津波の危険性を研究していく。