店舗の賃貸契約終了前日の1月30日、キングス・ビレッジは在庫処分の掘り出し物であふれていた。
ロック・アイランド・カフェのオーナーのマイケル・ジェルフォ氏は、1月25日キングス・ビレッジの店を閉店し、2月初めにカラカウア通りに店をオープンする予定だと語った。しかし、キングス・ビレッジのほとんどのママパパ店は、これに対応できず、1972年から店を開いていたオーナーを含む多くの店の所有者は引退することになった。
ジェルフォ氏は、45以上の店舗があるキングス・ビレッジの衰退は、ワイキキ時代の終わりを表していると述べた。バザールの雰囲気を持ったインターナショナル・マーケット・プレイスが2013年に閉鎖され、2016年に高級ショッピング・センターとして再オープンした後、キングス・ビレッジは、ワイキキで小型店舗の最後の砦であった。
「キングス・ビレッジは、ユニークな建築やデザインを持つ、本当に不思議な場所であった。それはディズニーランドのメインストリートUSAをデザインした建築家によって設計された。センターの中央には有名人の手形があり、鐘楼にはヨーロッパで作られた鐘が掛かってる」とジェルフォ氏は閉鎖を悲しんだ。
キングス・ビレッジが取り壊された後、ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)は、32階建て、191ユニットのタイムシェア・タワーを建設する。建設は今年第2四半期に始まり、2022年の第一四半期に完成する予定である。
ホスピタリティー・アドバイサーズLLCの社長兼CEOのジョゼフ・トイ氏は「このプロジェクトはハワイの観光業界に良い結果をもたらす。タイムシェア業界にはまだ多くの強みがあり、オアフ島はタイムシェア需要の中心である」と述べた。
しかし、このプロジェクトに反対を唱えるデニース・ボイスバート-ジョーゲンセン氏のような批評家は、高層ビルや観光業は制御不能になっている、ワイキキの高級化は、小売の多様性を奪い、買物客や店主をワイキキから追い出している、と述べた。
ワイキキに住むデイブ・モスコウィッツさんを含む多くの人々は、中庭にあるバラエティ・クラブ・セレブリティ・サークルのセレブのコレクションや手形が破壊されることを懸念している。「デューク・カハナモク、ヒロ・ハッティ、ドン・ホー、ジム・ネイバーズを含むこれらの有名人は、今日まで観光客をハワイに引き付けてきた」と語った。
これに対し、HGVハワイの広報担当、メグミ・ホーブナー氏は、「キングス・ビレッジは長くユニークな歴史を持っており、過去に刻まれたセレブの手形などの数々の歴史遺産は残される予定である」と述べた。
(日刊サン 2019.02.09)