ホノルルのインフレ上昇率は、衣料品コストを急騰させた米中貿易戦争の影響にもかかわらず、ここ数カ月間は穏やかである。 連邦労働統計局が8月13日に発表したデータによると、州全体の経済成長が鈍化している中、7月までの12か月間のホノルルのインフレ率は1.6%であった。これは、ホノルルの20年平均の2.4%を大きく下回り、2018年の1.9%よりも低い。また、州ビジネス・経済開発・観光業局(DBEDT)が5月に発表した2019年の通年予測の1.7%も下回っている。
「ハワイの物価はまだ非常に高いが、この1年間のインフレ率は低い。経済成長率が低い時は通常、インフレ率も低い」とDBEDTのチーフ・エコノミストのユージン・ティアン氏は述べた。 消費者物価指数を基にしたホノルルのインフレ率1.6%は、過去12か月間の全米の1.8%、西部地域の2.7%、ロサンゼルスの3.3%よりも低かった。 ホノルルのインフレ率は低いにもかかわらず、衣料品コストは11.3%上昇し、全てのカテゴリーで最大の上昇となった。 「2018年の衣料品コストは4.8%減少しており、今年の衣料コストの上昇は中国から輸入される製品への関税の影響である」とティアン氏は語った。
モデル業とマーケティング・サービスをしているワイアラエ・カハラ地区在住のナオミ・クーパーさんは、「私はメーシーズやMacys.comで通常バーゲン品を買っているが、メーシーズのような大きなデパートでは、価格が大きく上昇してはいないと思う。しかし、私がオンラインで購入する小さなブティックの製品やブランド品の価格は上がっていると感じている。昨年、プライベート・ラベル、ブティックの製品などの価格は大きく上がった。生地や製品の品質が少し低下したと思う。生地だけでなく、ジッパーの金属、ボタンのような通常気づかない材料の質が低下している。高品質ではなくなっている」と語った。
衣料品は消費者物価指数の2%を占める。 ホノルルの2019年通年のインフレ率は、2015年の1%以来の低い率になると予測されている。ここ数年のインフレ率は、2016年2%、2017年2.5%、2018年1.9%、であった。 ティアン氏は、この低いインフレ率は主に原油価格の下落に起因していると述べた。原油価格は、2018年7月から2019年7月にかけて18.4%下落した。その結果、この期間のホノルルの輸送費の消費者物価インフレは1.7%減少し、エネルギーのそれはわずか0.3%上昇した。 ホノルルの消費者物価指数の約40%を占める住宅費は、過去1年間で2.4%増加し、食糧費は2.3%増加した。
(日刊サン 2019.08.29)