市議会は6月5日、ホテル及びリゾート不動産、高級住宅等の固定資産税を引き上げる法案を可決した。 ホテルやリゾート物件に対する税額は、評価額1千ドル当たり12.90ドルから13.90ドルに上昇する。また、住宅所有者が居住していない100万ドル以上の投資用不動産には、99万9999ドルを超える部分に対し1,000ドル当たり10.50ドル(現行は9ドル)が課税されることとなる。99万9999ドル以下の評価額の不動産に対する税額は、今までと同じで、1,000ドルあたり4.50ドルのままである。
来年度の固定資産税率を設定する第19-55号法案は、キャロル・フクナガ、アン・コバヤシ、キンバリー・パイン、ハイジ・ツネヨシの4議員が反対票を投じ、イカイカ・アンダーソン、ブランドン・エレファンテ、ジョーイ・マナハン、ロン・メナー、トミー・ウォーターズの5議員が賛成し、僅差で可決された。 この増額案は、コールドウェル市長が3月に提出した2020年度予算案に含まれており、ホテル・リゾート税の引き上げで1千700万ドル、投資用不動産の増税で1千400万ドルの年間歳入増が見込まれている。 市長は3月、28億2300万ドルの一般会計予算を支えるには追加歳入が必要だと述べた。この歳出増は、2020年に最初の区間が開通する高速鉄道のスタッフの給与・福利厚生と債務返済によるものであるとのこと。
ハワイ・ホテル・観光業協会のムフィ・ハンネマン会長は、増税はオアフ島の観光業界に悲惨な結果をもたらすと、市議会に警告していた。 自宅として使用されている一般の住居は、税額控除が適用され、その固定資産税は現行の1,000ドルあたり3.50ドルに据え置かれる。 市のロイ・アメミヤ助役は、新しい税率は、評価額が100万ドル以上の、所有者が居住していない住宅のみに適用される、と協調した。
トミー・ウォーターズ議員は、増税はなるべく避けるべきで、将来のある時点で100万ドルのしきい値を引き上げることを検討すべきだ、と述べた。 また、同議員は、鉄道の運用・保守にかかる費用の急増しているのは問題だとし、「2035年までに、市はさらに1億5千600万ドル(毎年)の運営・維持費用をカバーするための歳入をどうにかして確保しなければならない」と指摘した。 6月5日に承認された一般会計予算は、28億3486万6665ドルで、市長が3月に提出した予算案より100万ドルほど多い。同じく可決された第11号法案の設備改善予算は11億6731万8336ドルで、コールドウェル市長の要求額より33%増加している。
(日刊サン 2019.06.19)