ホノルル市議会とコールドウェル市長は、イースト・カポレイとアラモアナ間を結ぶ高速鉄道の建設予算92億ドルのうち、市が最大2億1400万ドルを拠出する法案に署名した。
42号法案は、市が、市債の発行を通じて、年間最大2600万ドル、通算最大2億1400万ドル、を拠出するものを認めるもので、市債の償還には大半が固定資産税からなる一般財源が使われることになる。
市議会は11月6日、同法案を5対2で可決した。キャロル・フクナガ議員とアン・コバヤシ議員は反対票を投じ、トミー・ウォーターズ議員は条件付き賛成票を投じた。イカイカ・アンダーソン議長とハイディ・ツネヨシ議員は投票を欠席した。
署名期限は22日であったが、コールドウェル市長は翌11月7日同法案に署名した。ホノルル高速鉄道公団(HART)の当局者は、市は一般財源から拠出する必要性を示していないとコメントしたが、連邦交通局(FTA)は市が「補助金」を支払うとコミットしたものだと述べた。
FTAは、総工費が52億ドルに跳ね上がった後、約束した15億5千万ドルの約半分の支出を保留し、昨年には、残り20マイル、21駅の建設資金の財源確保と返済計画の提示を求めた。
市議会は2018年10月末、市当局者は鉄道建設に税金を投入しないという以前の約束を守るべきだとの声が大きくなったのを受け、FTAと同様の提案を採択した。これに対し、市当局者は、15.5億ドルの連邦援助金を失う恐れがあると警告した。施行された18-39号条例では、HARTに拠出される2億1400万ドルのうち最初の4400万ドルを一般財源から賄うことを承認した。この法案は7-2で可決され、コバヤシ議員とウォーターズ議員の前任のトレバー・オザワ議員(当時)が反対した。しかし、この条例は、2018年10月24日付のHARTの返済計画を対象にしたものであったため、FTAがHARTに返済計画の最新版の提出を求めた時点で効力を失った。
FTAは最新の返済計画を9月に承認したが、保留中の資金を拠出していない。「11月6-7日に承認された法案は、具体的な返済計画には言及しておらず、一般的な文言で『改訂、更新され、市議会が採択されるもの』と書かれている」と市予算局のネルソン・コヤナギ局長は市議会に説明した。同法案に反対した地域住民代表のナタリー・イワサさんは10日、「市は鉄道建設に税金を使わないと言った。その後、2億1400万ドルのうち4400万ドルは前金として支払われ、残りの補助金は、建設の最終工期の数年にわたり支払われる、と改訂された。しかし、この42号法案では、補助金は毎年支払うことになっている」と指摘した。さらにイワサさんは、「これらの資金はHARTの営業費用をカバーしているが、10〜24年の長期にわたる返済になっており、その利子は税金から払われることになる」と付言した。
(日刊サン 2019.11.23)