ワシントンDCに本拠を置くアフォーダブル住宅支援団体の全米低所得者住宅連合(NLIHC)の 2019年「アウト・オブ・リーチ」報告書によると、ハワイの家賃は非常に高く、賃金が低い業界で働くほとんどの人々にとって手の届かないものであることが分かった。
同レポートによると、ハワイは2寝室の家賃が全米で最も高いだけでなく、借家人の平均賃金と家賃のギャップが最大の州であることが明らかになった。
2寝室の平均月額家賃は1,914ドルで、ここに住むためには、1時間あたり36.82ドル、または年間7万6577ドルを稼ぐ必要があるが、実際の平均賃金は、1時間あたり16.68ドルに過ぎず、1時間あたり20ドルのギャップがある。
状況は、1寝室でも同じで、平均月額家賃は1,458ドルであり、これに必要な賃金は、時給は28.04ドル、つまり年収5万8316ドルである。ハワイの最低賃金は、時給10.10ドルであるため、この1寝室を借りるには、1週間あたり111時間働くか、2.8人分の仕事をしなければならないことになる。
2寝室の場合は、賃借人は週146時間働くか、または3.6人分の仕事をこなす必要がある。 ファーストフードの調理士、クック、レジ係、在宅介護助手、小売販売員、教員助手など、州最大の職業における平均時給は、11.50ドル~15ドルで、1寝室住宅を借りるレベルには遠く及ばない。
ハワイの住宅賃借人の割合は州人口の42%で、税米平均より高い。「法的正義と経済的正義を求めるハワイ・アップルシード・センター」のシニア政策アナリストのニコール・ウー氏は「ハワイの住宅費は非常に高い。
国勢調査データによると、1住宅当たりの居住者数が最も多く、人口一人当たりのホームレスの数も最多である」と述べ、今年のハワイ州議会で最低賃金を時給15ドルに引き上げられなかったことが問題を悪化させた、と指摘した。
ハワイ州で最も生活費が高い地域は、ホノルル市街地で、マウイ郡、カウアイ郡が続いている。ホノルル市街地では、2寝室を借りるための時給は39.75ドル、マウイ郡では32.21ドル、カウアイ郡では29.44ドル、ハワイ郡では25.88ドルとなる。
NLIHCによると、この賃金と家賃にギャップがあるのは、ハワイ州だけではなく、他の州・郡・首都圏でも同じである。 全米的には、2寝室住宅の賃貸料を払うためには22.96ドルの時給が必要だが、連邦政府の最低賃金7.25ドルとの間には15.71ドルの差がある。
2寝室住宅の家賃が最も高い州はハワイで、カリフォルニア、マサチューセッツ、ニューヨーク、そしてニュージャージーが続いている。 首都圏別で見ると、サンフランシスコの家賃が最も高く、時給60.96ドル相当となり、一方、ケンタッキー州のいくつかの都市が最も低く、時給11.88ドル相当となっている。
(日刊サン 2019.07.20)