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ハワイ不動産ニュース: ディリンハム牧場が再び売却へ

カリフォルニアの企業が、地域住民の激しい反対にも拘わらず、オアフ島のディリンハム牧場の2,721エーカーを住宅分譲用として売りに出した。

 

カリフォルニア州ビバリー・ヒルズに本拠を置く不動産投資開発会社のケネディ・ウィルソン社の関連会社は、このノース・ショアの不動産売却のために不動産仲介業者のCBREを専任業者に選んだ、とCBREは5月20日発表した。 売り出し価格は、2006年の買収金額の2倍の5千2百万ドル。 CBREは、「投資、開発、牧場経営または農業経営用としてハワイで最も優れた牧場の1つを買収するまたとない機会である」と説明している。 開発計画では、2〜77エーカーの宅地70区画が造成され、市のゾーニング規定によりこれらの区画は農場の付帯設備として扱われる。

 

 

一方、多くのノース・ショアの住民は、数百万ドルの同牧場の分譲は、モクレイアで100年以上続く牧場での商業農業を死に至らしめる、と危惧している。また、「農場住宅」の分譲は農地価格の高騰を招き、同様の開発を多く誘発させる、と反対している。 ホノルル市計画・許可証発行局(DPP)は、分譲の暫定的認可を与え、最終認可までに特定の条件を満たすように指示した。分譲に関連する農業計画が実行可能であることが明らかになれば、DPPは認可を保留することはできない。「実行可能」の意味は明確に定義されていないが、州農業局はケネディ・ウィルソンの計画は条件を満たしている、とコメントしている。

 

 

同開発計画では、分譲区画の購入者は最大2万ドルの払い戻しを受け、それを使い3年以内に購入した土地の1〜3エーカーに果樹を植えることが求められている。 また、同計画では、既存の牛牧場、乗馬施設、ヤシの木農場、およびマンゴー園が、事業者にリースされる。なお、事業者は、分譲区画所有者のテナントとして扱われ、当初賃料が軽減される。

 

 

同物件には、19エーカーのオーシャン・フロントのポロ競技場があり、ロッジ、結婚式場、隠れ家、イベント用スペースに転用できるランチ・ハウスもある。 ディリンハム牧場の創立は、オアフ鉄道&ランド社の創設者であるベンジャミン・フランクリン・ディリンガム氏が1897年に1万エーカーのカワイロア牧場を買収したときに遡る。その牧場の一部が売却された後、デディリンハムの息子、ウォルター氏がディリンハム牧場を創設した。

 

 

 

(日刊サン 2019.06.04)