ホノルルYMCAは5月17日、同団体の所有するワイキキの1.8エーカーの一等地(セントラルYMCA:アトキンソン通り401)を売却すると発表した。同非営利団体は以前、開発業者と協力して同敷地に新しい施設の建設を計画したが、頓挫していた。また、今回の土地の売却決定は、11名の従業員の解雇とアパート賃貸契約の解除という問題がからみ、非常に厳しいものであった。
フィットネス・センター、プール、ユース・プログラム施設、115のホステル・ルームを持つセントラルYMCAは、1951年にオープンした。 2012年、同YMCAは1.5エーカーの敷地を開発業者(サンフランシスコのMBプロパティー・アクイジションズ社のマイケル・ブルメンタル氏が率いる開発業者のアロハ・カイ・デベロップメント社と日本のタマ・ホーム社)に1千9百万ドルで売却することを決定した。開発業者は128戸のコンド・タワーを建設し、その売却収入で残りの土地にホステル・ルームなしの新しいYMCA施設を建設しようとした。
ホノルルYMCAの社長兼CEOのマイケル・ブローデリック氏は当時、「施設の維持費・間接費や修繕費を賄う事が出来ないので、この計画は同施設にとって最良の方法である」と述べている。 2013年、同YMCAとその開発パートナーはゾーニング変更を行い、建物の高さ制限を150フィートから350フィートに引き上げた。 再開発に備え、ホステルを営業継続させながら、フィットネス施設を2015年に閉鎖した。しかし、開発業者は完成予定の2016年に新しい施設を完成できなかった。 YMCAは工期延長を認める見返りとして開発業者から80万ドルを受け取り、開発業者を提訴した。 開発業者は敗訴し、損害賠償、弁護士費用およびその他の費用として2百万ドルをYMCAに支払うよう命じられた。その後紆余曲折があったが、昨年11月最終和解に至った。その和解後、YMCAは徹底的な調査と検討を重ね、売却の決定を行った。 商業用不動産仲介業者が、同物件の売却を行う予定である。
従業員は他のYMCAへの転属か退職手当の支給が提案されることになる。また、理事会は売却収入の使用方法を検討しており、2026年半ばまで借地契約しているカハラYMCAの拡張または移転費用に使われる可能性もある。また、モクレイアのキャンプ・アードマンの老朽化したキャビンの改修、ワイアナエのトレーラー・ビルの恒久的な建物・活動スペースへの建て替え、ヌウアヌ施設の改装と設計見直しも検討されている。 YMCAはカイルア、ミリラニ、カリヒ、ワイパフにも施設を持っている。マノアの施設は2017年に8百万ドルで売却されたが、近隣のハワイ大学キャンパスに新しい施設が建設される予定である。
(日刊サン 2019.05.24)