ホノルル美術館(HoMA)は7月16日、同評議委員会がマキキ・ハイツのスポールディング・ハウスの売却を決定したと発表した。 閉館は今年末と予定されており、それに合わせた閉館記念イベントが秋に開催される。
評議委員の一人で、美術館館長代理のマーク・ビュラック氏は、「多くの複雑な思いが伴う苦渋の決断であった。この売却について、あらゆる角度から、非常に長い時間をかけ厳格に精査した。スポールディング・ハウスの美しさと歴史的な重要性のために売却の判断は非常に難しいものであった。一方、2つの大きなアート・キャンパスに重要な資源を分散し、展示会、プログラム、サービスの質を希望する水準に均一化するのも困難であった」と述べた。
HoMAの評議会は、特別委員会を設け、スポールディング・ハウスの全体的な経済性と潜在的可能性の詳細な評価を行い、それに基づき売却が最善であるとの結論に達した。
マキキ・ハイツ・ドライブ2411番の隠された宝石であるスポールディング・ハウスは、約3.5エーカーの敷地内にあり、日本庭園、プール、そしてダイヤモンドヘッドと海、街のパノラマの景観を堪能することができる。
スポールディング・ハウスは、数十年にわたって多くのユニークな美術展を開催し、多くのコンテンポラリー・アーティストを輩出してきた。
ホノルル芸術アカデミーの創設者アンナ・ライス・クック氏は1925年、住宅としてスポールディング・ハウスを建て、「ヌウメアラニ」(天国のテラス)と名付けた。クック氏の娘アリス・スポールディング氏が1934年、同住宅を購入した。
同美術館は、クック・スポールディング・レジデンスとも呼ばれ、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定された。ヒストリック・ハワイ財団によると、この建物は、1920年代から1930年代のハワイの西洋建築の要素とアジア的要素の融合した建物の好例である。
現在ホノルル美術館として知られているホノルル芸術アカデミーは1968年、スポールディング氏の遺言により同不動産を取得した。 その後、スポールディング・ハウスはホノルル・アドバタイザー誌の社主で慈善家でもあるサーストン・トィッグ-スミス氏に売却された。同氏は、家族と共にここに数年暮らした後、1988年に現代美術館として寄贈した。
同現代美術館は、独立した美術館として運営され、2011年5月にHoMAに寄贈された。 12人の従業員は、サウス・ベレタニア通り900番の美術館本館と近隣の美術学校に異動する。
(日刊サン 2019.07.27)