低所得の高齢者のためのアフォーダブル住宅として40年間提供されてきたモイリイリの中層アパート・ビル「ハウステン・ガーデンズ」が、今後45年間も維持されることになり、それを祝う式典が4月18日に開催される。 民間開発業者2社は2年前、州の財政支援を受けこのビルを購入し、このほど改装を終えた。8階建ての同ビルには50戸の1寝室のユニットがあり、月額家賃は平均400ドルである。
旧ウィローズ・レストラン近くのハウステン通り808番地の同住宅ビルは、小規模ながらも、アフォーダブル住宅を地元に供給するうえで重要な意味を持っている。 「芸術家の稼ぎは少ないんです」と1年前にハウステン・ガーデンズに引っ越してきた68歳の画家のマイケル・ヤノさんは語った。同氏を含む入居者は実質家賃の30%以下しか支払っていない。というのは、連邦都市開発法第8条に基づき住宅都市開発省(HUD)が1ユニットあたり平均1,135ドルの月額家賃を補助しているからである。
ハウステン・ガーデンズは、1978年に建設されて以来、HUDの家賃補助金を使った低所得の高齢者向けサービスを提供してきたが、2-3年前に最初の開発業者の家族がこの住宅ビルの売却を決めたために家賃補助が継続できるか不透明になった。
地元のアフォーダブル住宅住宅開発会社のアヘ・グループ社は2017年、テキサスに本拠を置くレッドウッド・ハウジング・リアルティ社と協力し、ハワイ銀行の短期融資を利用し同アパートを925万ドルで購入し、この危機を救った。その後、同社は、ハワイ住宅金融開発公社から1千550万ドルの資金提供を受け、購入資金の返済と300万ドルの改装費に充てた。改装は、新しい床、窓、キッチン、バスルームの備品、エレベーター、セキュリティ・システム、管理事務所、建物の塗装、庭などが対象であった。 ハワイ式完成式典と落成式は4月18日に行われた。
ハワイ住宅金融公社は、開発業者のアフォーダブル住宅建設を支援する州機関である。この支援を受けるため、アヘ社とレッドウッド社は45年間アフォーダブル住宅の賃料を維持し、ホノルルの中間年収の60%までの年収の62歳以上の高齢者だけに賃貸しなくてはならない。ホノルルの中間年収は、一人世帯で4万9千20ドル、2人世帯で5万5千980ドルである。
約60人の居住者の大半の年収が中間年収よりかなり少ないため、HUDの補助金は20年間継続される契約になっている。
ハワイと日本の成人に英語を教えていた64歳のポール・ゴーヴェイアさんは、「私はここに住んでいることに誇りに思っている」と語った。
(日刊サン 2019.04.25)