アロハ~、スターツハワイの池田多聞です。前回、お話しした不動産に関わる契約書について、引き続きご説明します。商業リースの契約書は、小さい個人ビルでも10~20枚、通常のオフィスビルで30枚~40枚、有名ショッピングセンターや一流ホテルだと60枚超にも及びます。 ですが、重要なのは最初の数枚。Business Provision、Floor Planやさまざまな個別条項の付いた添付契約書(Exhibit)で、真ん中のGeneral Provisionはいってみれば担当弁護士がそれぞれのスタイルで常識を記載するものなので、要求される保険金額の条項以外はあまり気にしなくてよいかと思います。 また、契約締結に際してはほとんどの場合、事業者の個人保証を要求されますが、これも日本とは違うので驚かれるかもしれません。日本の場合、事業に対して個人保証した第三者が、事業の失敗で責任を感じて自殺する・・・などの報道を見ますが、アメリカではそれほど気にすることはないかと思います。 実際、アメリカ大統領となったトランプ氏も、過去に何度も事業で失敗しているのに、その責任を計算的に逃れて現在に至っています。 具体的にいえば、アラモアナセンター(AC)でリテイルリース契約した日系企業の社長Aさんが個人保証にサインしたとしても、Aさんの資産が全て米国以外であれば、Aさんの事業が失敗してもGeneral Growth(ACのオーナー)は上記資産には手を出せないでしょう。仮にAさんがハワイで住居用のコンドミニアムを所有したとしても、それを夫婦名義で所有していれば、Aさんの奥さんにまでしっかり保証を差し入れていない限りGeneral Growthは、債権者としてその物件に手を延ばす事はできません。 僕もワイキキの旧ANAビル(現BOHワイキキセンター)の責任者として常時約30のテナントさんを管理させて頂きましたが、個人保証をベースに債権を取り立てたのは10年で2件、その内、ある程度、事業者(個人)から回収できたのは1件だけでした。 それくらい、アメリカは新規ビジネスに寛容なのかもしれません。なのでアイデアのある方はぜひ挑戦してみては!? (おわり)
スターツ・インターナショナル・ハワイ 池田 多聞(RA)