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アロハ~、スターツハワイの池田多聞です。第12回目は、不動産に係わる契約についてご説明します。

まず住宅に関してですが、ハワイ不動産協会(Hawaii Association of Realtors)が定めるさまざまな定型フォームが充実しており、エージェントもそれを使用するため、非常にわかりやすく、トラブルが少ないと感じています。

物件購入に際しては、売買契約書(Purchase Contract)を用いますが、これは正式な契約締結の前の購入申込書にも適用されます。売買契約書という名称ですが、相手側に送付した時点では先方が拒否する可能性もあり、単なる要望書という扱いです。これに条件交渉をする場合はCounter Offerというものがあり、Purchase Contractの付属契約として活用されます。双方がそれらの書類に合意して、締結した段階で初めて法的拘束力が発生します。

とてもよく出来たシステムだと思いますが、商業不動産には当てはまらないケースがほとんどです。ホノルル不動産協会が提供するフォームも、売買に関してはCommercial Real Property Purchase and Sale Agreementというものがありますが、賃貸も合わせて多くの不動産会社やエージェントが自分のフォームを採用する傾向にあります。

申し込み段階では①Offer、②Proposal、③Letter of Intentなど各社さまざまなフォームがありますが、実質的な内容は同じ。法的拘束力のない要望条件の提示書となります。この段階においては契約当事者、契約期間、基本賃料、共益費、敷金など基本的な条件が明記され、それを交渉するというプロセスが取られます。正式なリース契約書の中で一番重要なのが、この部分なので、これらを反映したBusiness Provision、Specific Termなるリース契約書の最初の数ページは、しっかりした精査が必要です。

基本的な条件交渉が済み、上記のOfferなどの締結=合意が済むと、リース契約書案(Draft)の作成に進みます。このDraftは賃貸の場合は貸主、売買の場合は売主の弁護士が準備するのが通例です。これにサインしたら、法的拘束力のある文書になりますので弁護士に精査を依頼したほうが良いです。

僕は条件交渉を経て、Business Provisionには自信を持って精査・説明しますが、その後のGeneral ProvisionやGeneral Termに関しては法的側面もあるので、余裕があればビジネス弁護士を雇い、全体を精査してもらった方が良いかと思います。

 

スターツ・インターナショナル・ハワイ 池田 多聞(RA)