数百人のハワイアン航空(HA)の客室乗務員が6月26日、新しい労務協定交渉が暗礁に乗り上げていることに抗議し、この20年で初めての大規模なデモを行った。客室乗務員は、ダニエルK.イノウエ国際空港のターミナル1前の歩道の数カ所で、プラカードを掲げシュプレヒコールを上げた。
ハワイアン航空の経営陣と客室乗務員(労働組合の客室乗務員協会(AFA)に加盟)との間の労務協定は、2016年12月31日に更新を迎えたが、今だに交渉中。最後の労使交渉は6月第3週にポートランドで行われ、7月の最後の週に再開される。
ハワイアン航空は、「HAとAFAは、2017年の交渉開始以来、多くの問題について暫定合意に達している。残りの問題を解決するために、現在調停を行っている」とコメントした。
一方、組合側は、依然として公正な賃金、より良い退職パッケージ、雇用保障について交渉が継続されている、と述べた。 HAのアテンダントの最高水準の時給は、他の航空会社よりも約20ドル低い。z前回の賃上げは2016年3月で、初任者の時給が22ドルに引き上げられ、20年勤続の優秀なアテンダントの時給は、55ドルであるという。
また、客室乗務員の時給は、航空機が動いている時間数に基づく。固定部分は月75時間分だけであり、上位の客室乗務員でも4万9千500ドルしか保証されていない。また、HAの退職金制度では十分な医療給付が継続できないという。
米国で最も高い生活費のハワイで働くHAの客室乗務員の賃金は、生活費と医療費が増え続けているにも関わらず、他の航空会社と比べ下がっている。大きな譲歩をし、会社を倒産の危機から救った彼らは、HAの最近の記録的な利益の公平な分け前に与りたいと考えている。
AFAは、ハワイアン航空のほか、19の航空会社で働く5万人の客室乗務員を代表している。
(日刊サン 2019.07.13)