日刊サンWEB

過去記事サイト

ハワイアンエアラインズ ダンカーリーCEOが引退

 ハワイアンエアラインズ勤続15年を迎えたCEOマーク・ダンカーリー氏が16日、翌年3月1日に退職すると発表。

 同氏はハワイアン・エアラインズがアジア、オセアニア、本土に広がり、1年の収益が26億4千万ドルと入社当時の4倍に、従業員は2倍の約6600人に成長するとは全く予想していなかったと語った。同氏が2002年12月にハワイアンエアラインズに入社した3か月後、同社は連邦破産保護法11条を申請。その後同氏を雇用した当時のCEOジョン・アダムス氏は財務上の決定を行っていた責任を問われ破産裁判所から退職を命じられた。当時のハワイアンエアラインズの株価は1株当たり29セント。同社は昨年の最高時に60ドル90セントを記録するまでの成長を遂げた。

 

破産状態の同社をV字回復させたCEO

 

 ダンカーリー氏は現在54歳。今後は東海岸とヨーロッパにいる家族と過ごし、数カ月は次の計画を練る予定だという。次期CEOには、勤続12年で現在最高営業責任者を務めるピーター・イングラム氏51歳が就任する。

 ハワイでもトップクラスの年収を得るダンカーリー氏の昨年の給与は370万ドルで、ハワイの株式公開会社のうち4番目に高い年収を得るCEOとなった。「退職は胸の痛い決断です。社は劇的な変化を遂げました。私はこれまで最前線で日々努力する人達に囲まれ非常に恵まれていました。私達は傑出したマネジメント・チームを結成しており、ピーターはその中でも基軸となる人物です」と同氏は語る。

 さらに就任する際には、困難を覚悟したと続けた。「当初予想していたよりも、より厳しい状況に置かれました。しかし同じ位、成功や驚きにも満ちていました。多くの人が私の経営構想を寛大に受け止め信頼を寄せて下さり、予想をはるかに超える結果になりました。これも全てビジネスを通し素晴らしい人達に恵まれたお陰です」と同氏。

 退職を迎える3月1日まではピーター氏への引き継ぎ業務に専念するという。ダンカーリー氏とその妻の間には子どもはおらず、余暇には小型の飛行機の操縦を楽しみたいとも語った。「ハワイアンエアラインズのような素晴らしい会社を経営したのは最高の経験です。非常に濃密な時間でした。退職後は小さな飛行機を飛ばして様々な場所の友人や家族に会いに行きます」

 昨年150万ドルの年収を得た時期CEOのイングラム氏は、ハワイアンエアラインズ入社前はアメリカン・イーグル・エアラインズとアメリカン・エアラインズに勤務。「入社当時は当社がここまで成功する要素は何も感じられませんでした。私は当時40歳で数社の航空会社のキャリアも経験し野心に溢れていました。役員会から自信を持ってマークの後任に選出され、とうとう機会が巡って来たと大変興奮しています。役員会がマネジメント・チームとこれまでの戦略の継続を望んでいるからこそ私が選出されたのでしょう。今後もこれまでの経営戦略の発展を続けていきます」と、同氏は述べた。

 

(日刊サン 2017. 12. 02)