ハワイ地区破産裁判所が1日に発表した5月の破産申請数は126件で、前年同月の114件から10.5%増加した。今年に入ってから4カ月連続で前年同時期の破産申請数を上回っている。4月は破産申請数が前年より60.6%増加しており、今年5カ月間の合計破産申請数は615件で、前年同時期より75件も多い。今後も破産申請数の増加が続けば、7年連続続いていた年間破産申請数の減少がストップする。
破産申請数が増加する一方で、観光がけん引するハワイ経済は加速している。ホノルルで破産弁護士を務めるグレッグ・ダン氏は「昨年より担当件数が36%増加しています。忙しいです。ハワイの経済は上向いていて、出費し過ぎてしまう人が多くなり破産が増えているのでしょう。外食も増え出費も多く、債務を重ねてしまうのです」と語った。
同氏曰く、彼の担当する65%が破産法第7章の申請で、個人や夫婦世帯が申請するローンやクレジットカード等の債務額は2万5000~7万5000ドルが多いという。残りの35%は定期的な収入がある個人が3~5年かけて債務を返済する第13章の申請だという。「抵当に入っている住宅が奪われることを防ぐため、第13章を多く申請しています」と同氏。
5月のハワイの第7章申請数は79件で、前年同月の87件から9.2%減少。しかし5カ月間の合計数ではちょうど9.2%増加している。第13章の申請数は47件で、前年同月の26件から80.8%増加。5カ月間の総数では前年より26.6%増加している。5月は事業再編に伴う第11章の申請はなく、前年同月は1件だった。
郡別にみてみると、4郡中3郡で前年よりも破産申請数は増加した。ホノルル郡は前年の79件から80件、ハワイ郡は7件から14件、カウアイ郡は10件から15件に増加。マウイ郡だけは、前年の18件から17件に減少した。
(日刊サン 2018.06.09)