中国との貿易戦争により12月から関税が上がることを懸念した小売業者は、ブラック・フライデー・セールを開始した。
ハワイ小売商協会のティナ・ヤマキ会長は、「小売業者はより厳しいホリデーシーズンを迎えようとしている。一部の小売業者はすでに売上の減少に直面している。消費者は価格に非常に敏感で、安く買うために実店舗に行くよりもオンラインに行く」と述べた。
大手百貨店や大型小売チェーンは、ハロウィーンの前からクリスマス用の装飾や商品を並べ、大半がブラック・フライデーに似たセールを行っている。同会長は、「ホリデーシーズンの商品は、事前に注文されており、関税上昇が消費者価格に反映されるのはシーズン後になる可能性が高い。しかし、ブラック・フライデーはすでに始まっている。誰もが、中国製品への関税上昇の前に商品を購入しようとしている」と語った。
9月1日に発効した関税は、アパレル、シューズ、テレビ、クリスマス・デコレーションなどの品目に対しては15%。12月15日には、玩具、衣類、履物、その他の電子機器に対し15%が課せられる予定である。
2018年夏、一部の消費財に25%の関税(主に業務用部品と原材料)が適用された。これらは10月15日に30%に引き上げられる予定であったが、トランプ大統領は中国と部分的貿易協定を締結したとして引き上げを一時停止した。その後、両政府は協定の内容を協議しているが、12月に予定されている関税引き上げが実行されるかは不透明である。
カイムキの住民のレニー・ツロンハリさんは、「ブラック・フライデーの買い物を楽しみにしている。人々は買い物を止めないであろうが、ホリデーシーズンの価格上昇によって買うものを選ぶようになるだろう」と語った。
シティ・ミルのキャロル・アイメイ副社長は、「小売業者は価格上昇をできる限り吸収しようとしてきたが、このホリデーシーズンは厳しいであろう。多くのものを輸入に頼っているハワイではなおさらである」と述べた。
(日刊サン 2019.11.23)