ハワイの企業倒産件数が、経済回復と共に減少を続けている。
低い失業率と、非農業部門雇用者数の増加を背景に、1月に申請された倒産件数は、前年同時期に比べて4.1パーセント減少している。2月2日月曜日にアメリカ破算裁判所ハワイ地区が発表したデータによると、1月の倒産申請数は117件で、2014年1月は122件だった。
ホノルルの破算弁護士、ブレイク・グッドマン氏は、倒産件数の減少は失業率の低下のためだと述べている。4パーセントの失業率は、この6年間で最低レベルである。これは、倒産件数の減少における大きなきっかけのひとつである。
「低い失業率は、市民の収入がとても安定しており、負債の返済や生活のその他の側面に資金を供給できることを意味しています。彼らは経済的な危機に瀕しているかもしれませんが、次の月も乗り越えられると確信するには十分です。2009年の経済危機の間、金融業者は負債を増加させるような借り手に対して非常に慎重になっていたと思います。そのため、住宅から車、クレジットカードに至るまで、負債額が減少していたのです。与信延長は減少していたようですが、5年後の現在、それがはっきりしてきました」とグッドマン氏。
ハワイの倒産申請件数は、昨年で4年連続の減少となり、不況以来最も低い数字となった。2014年は1,702件で、2013年の2,071件に比べると17.8パーセントの減少である。不況から1年後の2010年、倒産申請は3,954件に増加した。その後。徐々に件数が減少し始めた。2011年は3,325件、2012年は2,528件、そして2013年と2014年はさらに大幅に減少した。
低い金利のおかげで、お金を借りやすくなり、住宅の購入や住宅ローンの借り替えもしやすくなった。また、倒産件数の減少にも大きく影響した。
先月申請された最も一般的な倒産の種類であるチャプター7(日本の破算法に相当)の債務整理は、1.2パーセント増加し、82件から83件となっていた。しかし、チャプター13(連邦倒産法)の申請は、17.9パーセントの減少となり、39件から32件となっている。
その他の主な債務整理のひとつ、チャプター11(再建型倒産処理法)は、1月に2件申請された。2014年1月は1件だった。
しかし、倒産件数の減少傾向は終わりに近づいていると、グッドマン氏は警告している。同氏の事務所に1月に寄せられた新しい案件は、19件から32件と68パーセントの増加となっている。
ハワイ州全体でみると、1月に倒産件数が減少したカウンティは2つ、増加したのも2つだった。ホノルル・カウンティは、89件から59件・33.7パーセントの大幅な減少。ハワイ・カウンティも16件から15件・6.3パーセントの減少だった。
一方、マウイ・カウンティは、13件から33件と倍以上の増加、カウアイ・カウンティも4件から10件と倍以上の増加だった。