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ハワイで国際プロサッカー試合 『パシフィック・リム・カップ』、コンサドーレ札幌が優勝!

Bynikkansan

2月 21, 2018

 

【日刊サンコミュニティニュース】

 

 2月8日と10日、アロハ・スタジアムで国際プロサッカー試合が行われた。対戦したのは、アメリカのメジャーリーグサッカーMLSのコロンバス・クルーSCと、バンクーバー・ホワイトキャップスFC対、日本のコンサドーレ札幌といわきFCの4チームだ。決勝戦にはホワイトキャップスとコンサドーレ札幌が勝ち上がり、攻守に優勢だったコンサドーレ札幌が1−0で下し、初の国際試合優勝、初代チャンピョンに輝いた。

決勝弾は後半40分、DF福森晃斗(25)のフリーキックを起点にFW都倉賢(31)がタイミングよくゴールに押し込んだ。前半から何度もチャンスを作った福森は、「ピッチは人工芝でも状態が良かったのでやりやすかった」と語り、GK菅野孝憲(33)は、ミットを手にサインを求めるローカルの少年に、「ゴールキーパーか、頑張れよ!」と、自身が履いていたスパイクをプレゼント。札幌での初タイトルを手にしたミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は、「選手がこのタイトルを取れたのは私自身非常にうれしい」と、一緒に喜びを分かち合っていた。

スタジアムでは4000人前後のファンが3位決定戦と決勝戦を観戦。ハワイの子どもたち1000人も無料招待された。

 

 

 

環太平洋のファンタジスタが集結して

ハワイでやることに意味がある  このパシフィック・リム・カップの仕掛け人、トーナメント・ディレクターの中村武彦氏に話しを聞いた。 「今、世界情勢はとても不安定で多くの問題を抱えています。ハワイにおいても真珠湾攻撃という、悲しい歴史があります。でもスポーツには平和を実現する力がある。オリンピックのように、ハワイでサッカーの祭典をしたら、環太平洋の国々の選手が集まりやすいし、気候も一年中サッカーに向いた環境にある。1つのボールを追うことで、相手を知ることができます」

 

 

中村武彦 マサチューセッツ州立大学大学院でスポーツビジネスを学ぶ。アメリカメジャーリーグサッカー協会に勤務していた2008年、ハワイでパンパシフィックチャンピョンシップを企画立案。ガンバ大阪やベッカムが在籍していたLAギャラクシーなどが参戦し、ベッカム見たさにアロハ・スタジアムは大いに湧いた。その後、ブルー・ユナイテッド・コーポレーションを設立。ニューヨークを拠点に、日本、ハワイなどでサッカー・ビジネスを展開している。

 

実はハワイは、サッカー環境も充実している。ワイキキから車で40分ほどのワイピオ・サッカーパークには、フルサイズ、天然芝のサッカーフィールドが23 面もあるし、ワイキキ内のアラワイ・パークも天然芝で、ナイター完備のスタジアムだ。今回J1残留を果たしたコンサドーレ札幌は、1月31日まで沖縄で1次キャンプを行い、2月3日からハワイで2次キャンプを行った。Jリーグのキャンプ地にもハワイは好適なのだ。 「日本サッカーの強化を考えた場合も、AFCアジアカップなど、アジアの中だけの戦いでは世界レベルの強化には物足りません。太平洋の中心にあるハワイになら、北米や中米、南米、オーストラリアなど環太平洋のライバル達が集まりやすい。ハワイにとっても素晴らしい観光資源になるのではないでしょうか」

中村氏の志に賛同したのが、今回スポンサーになってくれた、アンダーアーマーの日本総代理店、株式会社ドームであった。ドームは今回参加した、いわきFCのスポンサーでもある。

「社長の安田修一さんは、非常にユニークな発想と視野を持った方で、この大会の意義に賛同してくださいました」

パシフィック・リム・カップは、かくして第一回大会を成功させた。

「1回で終わらせるのではなく、来年も3年後も10年後も続いていく大会に育てます。アメリカメジャーとJリーグが戦う場として、チリのチームやタイのチームが参戦できる本来の意味の環太平洋の大会として成長するよう、ハワイの方々も応援してください」 (取材・文 奥山夏実)

 

 

 

(日刊サン 2018.02.21)