セントラル・パシフィック・ハリケーンセンターは、記録更新中のトロピカルサイクロンの季節において、ハワイがどんなに幸運に恵まれてきたかを示すグラフィックを公表した。
ハリケーンの専門家であるケビン・コダマ氏が制作したグラフィックは、6月1日から現在までの間に、中部太平洋を通過した15のトロピカルサイクロンの赤外線映像をまとめている。
ストームは、レイのように連なり、島の周りを渦を巻いていながら、どのストームも島を直撃しなかった。 「今シーズンは非常に幸運だったことがわかります」とセントラル・パシフィック・センターの科学&運営官のボブ・バラード氏。
「今年は、周辺の海面の水温が限界に達しなかったことで、私たちは守られたのです」とバラード氏は話す。「緑色のライトがハリケーンです。海面温度に関して言うと、水は暖かかったのです。
それがハリケーンを食い止めた唯一の理由で、本当に幸運でした。」 バラード氏は、太平洋を温暖にするエルニーニョが、ハワイ周辺のトロピカルストームが記録的な数となった要因だと話す。
ハワイは、亜熱帯ジェット気流で守られており、風のせん断機を作り出す上層大気の風によって、ほとんどのストームがハワイに到着する前に弱められ、島から離れていくように方向転換をする手助けをしていた。
しかし、ストームが近づいてくる時にジェット気流が島の上空になかった時も何度かあり、それでもハワイが直撃を免れたのは、ストームの進路が島にから外れたからだとバラード氏と述べている。
「イグナシオはハワイに大打撃を与える可能性がありました」とバラード氏。 「そこにちょっとした幸運が遊びに来たのです」 過去に記録された中部太平洋でのトロピカルサイクロンは1992年と1994の年間11だった。 ハリケーンシーズンは、公的には11月末までとなる。
しかし、バラード氏は、12月の特に水温が温かい時に、中部太平洋にトロピカルサイクロンが発生した例はないと言う。
「(エルニーニョもあり)季節外れに中部太平洋で何かが発達する可能性は通常より高くなっています」。 バラード氏は、今年ハワイは多くのストームに見舞われながらも、幸運に恵まれてきているけれども、その中のたった1つが、直撃する危険性もあると警告する。
「広大な海の中の小さな的ではありますが、時間の問題です。条件さえ揃えば、ハリケーンが島を直撃しないための特別な理由などないのですから」と語った。