「ハニーガール」という名前で知られているハワイアン・モンクシールが、オアフ島ノースショアで2月25日に出産した。赤ちゃんモンクシールは今のところ「PO1」と名付けられている。
ハワイアン・モンクシールと生まれたての赤ちゃんを保護するため、ボランティアは警戒を強めている。この赤ちゃんは、今年ハワイ諸島で生まれた初めての赤ちゃんモンクシールとなった。
近隣のタートル・ベイ・リゾートでは、3年連続で開催されているヨガと音楽のイベント「ワンダーラスト・オアフ」のために人が群がっている。
「週末は混雑すると思います。この週末は期間限定のボランティアを追加することになります」とモンクシール・ファンデーションのデイナ・ジョーンズ氏は述べている。この団体は、ボランティア団体を監視している。
ビーチはフェンスで囲われ、少なくとも3人のボランティアが監視している。2月27日金曜日、モンクシールの親子は明らかに元気だった。波の中ではしゃぎまわり、カフク・ポイントの近くのビーチで休憩したりしていた。
ハニーガールは、水曜日の午後に出産した。赤ちゃんの性別は今のところ不明である。
ボランティアは長期間に渡る徹夜の警護を予定している。母モンクシールが赤ちゃんを育て、親子のきずなを深めるには、5週間から7週間が必要となる。赤ちゃんモンクシールが自立できるようになるまでは、それから数週間から1・2か月かかると、国立海洋大気圏局の海洋哺乳類ヘルスプログラム・コーディネーター、デイヴィッド・スコフィールド氏は述べている。
一般的に2月から7月まで続く出産シーズンで、今年はこれが初めての出産である。スコフィールド氏によると、この期間に主要ハワイ諸島では10頭から20頭の赤ちゃんが生まれると期待されているという。
ハニーガール(R5AY)が子供を産んだのは、今回で9回目である。ハニーガールは2002年にカウアイ島でタグがつけられた。専門家によると、17歳とみられている。
2年半前、ハニーガールは口の中に釣り針がひっかかり、死にそうになったことがある。緊急手術のためにホノルル動物園に運ばれ、最終的に野生に戻されたとスコフィールド氏。
ボランティアは自分たちの仕事を真剣にとらえていると、ジョーンズ氏は説明している。ハワイアン・モンクシールは絶滅寸前に指定されており、生息数は1,100頭を切っている上に、生息数は年間で3パーセント減少している。
モンクシールの85パーセントが北西ハワイ諸島に生息しており、生まれた子供の5頭のうちわずか1頭だけが1歳の誕生日まで生き延びることができる。一方、主要ハワイ諸島で生まれるモンクシールの数は年間5パーセントも増えている。生息数が少ないので、食糧を争う必要が少ないからだとスコフィールド氏は説明した。
しかしながら、他の危険もある。この数年、カウアイ島とモロカイ島で、何頭かのモンクシールが意図的に殺されている。
ボランティアはモンクシールを保護するだけでなく、市民を教育し、市民の安全を守る努力をしているとジョーンズ氏。モンクシールに近づきすぎると、噛まれたり攻撃されたりする可能性がある。
「子供と一緒にいるライオンやグリズリーに近づく人はいないと思います。それと同じことで、どんな母親も子供を守ろうとします」
タートル・ベイは今週末100パーセントの稼働率であり、宿泊客の多くがモンクシールに興味を持っていると、ホテルのマネージャー、スキップ・テイラー氏は認めている。しかし、同ホテルは国立海洋大気圏局と提携し、野生動物と遭遇した場合の「適切な規約」について確認しあっている。
「99パーセントの人が、特にワンダーラストのためにここに集まる人たちは、自然に深い敬意をもっています」とテイラー氏。
ジョーンズ氏もその意見に同意している。「ヨガとメディテーションのグループ」の人が、問題を起こすことはないとジョーンズ氏は考えている。