ハワイ大学癌センターの研究者たちは、ノニエキスが前立腺がん患者の助けになる可能性があるかどうかを調べている。エキスが入ったピルは、ハワイ島で育ったノニから抽出された。
「ネイティブハワイアンや太平洋の他の島の人々は、ノニには癒しの効果があると何世代にも渡って強く信じてきました。過去の研究所での研究においても、ノニエキスには抗がん作用があることが発見されています」と、ハワイ大学癌センターの臨床科学とトランスレーショナルリサーチプログラムの研究責任者兼アシスタントスペシャリスト、ジェフリー・フアン博士は語った。
「現在の私たちの研究は第2段階に進み、ノニのその特性が、特定の種類の癌に作用するか否かを調べたいのです」 研究の前段階では、研究者たちは、ノニが患者たちの症状を緩和させたことは分かったが、癌細胞を抹殺する力はないことを突きとめた。現在は、前立腺患者たちが、初期のリスクの低い状態から高いリスクの状態へと病気が進行してしまうのを防げるかをテストしている。
「前回の研究では、患者の生活の質の上では大きな改善が見られました。また、今回研究を行うためのノニの投与量についても把握することができました」とフアン博士。
「我々は現在、前立腺がん患者の遺伝子になんらかの変化があるかどうか、ノニが前立腺癌の治療に効果があるかどうかを調べています」
第2段階に入った現在は、患者に病気の進行をもたらす腫瘍内の遺伝子を観測する。前立腺癌を特定する異なる遺伝子を検査し、数値をつける。ノニエキスの使用前後で患者の数値を測り、健康に改善がみられるかを観察していく。
「初期段階の患者、いわゆるほとんどリスクがない、またはリスクが低い患者を、どのように治療するかについて沢山の論議が交わされてきました。選択肢の一つは、経過観察、いわゆる監視療法です」とフアン医師。
「しかし、患者は癌と知らされると、ただ座って待つのではなく、最善を尽くしたいと思うものなのです。彼らは自らの力で自分自身の病気を治すことができると思いたいのです。今回の研究が、今後の前立腺がん患者の生活の質の改善のための治療オプションとして加えられることを願っています」
1年という歳月をかけた治験治療は、30名の患者に対して行われる。ほとんどがハワイ在住の患者であり、ローカルの病院や診察所で実施される。臨床実験は2015年12月末から開始した。
前立腺がんは、ハワイの男性に最も多い癌で、約800名の男性が前立腺癌と診断され、毎年100人以上の患者が死亡している。 米国国立癌研究所によると、2015年は22万件以上の新しい疾病の事例があったと推定されている。