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ドン・キホーテがタイムズを買収、マーケットシェア拡大へ

日本に本拠地を持つドン・キホーテグループは、ホノルルに本拠を持ちハワイで68年営業をしてきたタイムズ・スーパーマーケットを買収することになった。  

両社は、6月28日に発表を出し、QSI社がハワイで所有する24店舗のスーパーマーケットをドン・キホーテが買収することで合意した。買収金額は公表されていない。親会社のドン・キホーテグループは全世界で354店舗のディスカント店、コンビニエンスストアを所有しており、現在ハワイでは5店舗を運営している。  

この買収が実行されれば、ドン・キホーテはハワイで、17店舗のタイムズ・スーパーマーケット、5店舗のビッグ・セイブ・マーケット、シマズ・スーパーマーケット、フジオカズ・ワイン・タイムズを所有・運営することになる。この契約締結は今年の第3四半期の後半に予定されている。  

「この買収は我が社にとって大きな一歩となり、顧客にとってもいいことである」とQSI社の社長兼最高経営責任者のジョン・クイン氏は述べた。「今日、我々は2つのカマアイナの会社を統合し、ハワイの食料品市場で新しい強力なブランドを築き上げようとしている」 

ベレタニア・ストリートのタイムズの複数の買物客はこの買収を歓迎し、ドン・キホーテの商品や特別価格がタイムズの店頭に反映されるのを楽しみにしていると語った。  

 

「ドン・キホーテは、タイムズが以前持っていたような新鮮な魚介類を取り揃えている。タイムズは魚介類の品揃えを絞ってしまった」と、マカリーに住む51歳のポーレット・キャンベルさんは寿司の弁当をスキャンしながら語った。「ドン・キホーテが好きな理由の一つは、日本食を豊富に取りそろえていることである」という。  

マキキに住むキャロル・カワハラさんは、タイムズがドン・キホーテと同じようにディスカントを実施するのを期待している。  

「それは素晴らしいこと。以前カイルアに住んでおり、そこにあるドン・キホーテに通っていたので、カイルアを去る時に悲しかった。ドン・キホーテは非常に魅力的な品揃えと価格を提供していた」と、カワハラさんは述べた。  

パールシティーに住むサレレア・ツイオレモツさん(24)は、タイムズがドン・キホーテと同じくらいの品揃えと品数を売ってほしいと述べた。「ドン・キホーテに行けば、自分の欲しいものがすべて陳列されている」とツオレモツさんは語った。  

しかし現在のところ、タイムズにおける変化は期待できない。ドン・キホーテによると、タイムズでの品揃えは「当分の間」変わらない。  

「ハワイは、わが社にとっても、私にとっても特別な市場である」と、ドン・キホーテ・ホールディングズ社長兼CEOのコウジ・オオハラ氏は声明を発表した。「引き続きハワイのお客様に最高の商品とサービスをお届けすべく全力投球する」

同社は、全ての店舗と現在QSI社が雇用する1600名の従業員を引き継ぐ、とコメントした。 

 

 

 

「タイムズ・スーパーマーケットの店舗と従業員を我々のオハナ(家族)として迎え入れることは非常に嬉しいことである」と、米国ドン・キホーテとマルカイ・ハワイ社の社長エドウィン・サワイ氏は話した。  

ホノルルの小売店アナリストのステファニー・ソフォス氏は、この買収を「両社にとってウィン・ウィンの関係」であると分析した。  

「この買収は全てにおいてうまくいっている。ドン・キホーテは価格的に非常に魅力的で、その強さをタイムズに持ち込める。一方、タイムズはハワイ産の生鮮食品を販売しており、その強さをドン・キホーテに持ち込み顧客に提供できる」と、ソフォス氏は述べた。  

ソフォス氏によると、ドン・キホーテにとって、独自に店舗を開発展開するよりも既存店を買収した方が、より低い投資になる。  

「他のビジネスを買収する場合、2つの理由が存在する」とソフォス氏は語る。  

「マーケットシェアを伸ばすというのが一つの理由。もう一つの理由は、一から実店舗を作り、良い立地に出店するのには、多額の出費が必要になるということ。既存店を買収し、そこに自分の商品を置き、マーケットシェアを獲得する方がはるかに簡単である。この買収はドン・キホーテにとって大きなメリットがある。既に一定の顧客ベースを持っているドン・キホーテが、長期的に売り場を確保し、既存の顧客を拡大し、新規の顧客を獲得する、ということに繋がるからである。ドン・キホーテは同社の商品を既存の商品に加えることによって、マーケットシェアを伸ばすことが出来る」  

ドン・キホーテは、買収される会社のブランド、商品、従業員の長期計画についてはコメントを差し控えている。  

「全てが揃っている事に満足している。従業員は何も心配することはないと思う」と、国際食品・商業労働者労働組合連合480支部(UFCW)のパット・ルー支部長は語った。  

ルー支部長によると、両社は資産の買収ではなく株式の売買による買収に合意したので、所有者の交代は団体交渉権には影響を与えない。  

UFCWはタイムズ経営陣との間で1年半有効な合意がある。  

資産の売買の場合、個々の資産の売買が伴うが、株式の売買の場合は会社の所有者の株の売買だけである。  

UFCWは少数のタイムズの労働者(特に食肉処理の従業員、魚類処理の従業員、低温・冷凍食品を取り扱う従業員)を代表している。  

アルバート・テルヤとワラス・テルヤの両氏によって設立されたタイムズ・スーパーマーケットは、ハワイで非常に長い歴史を持っている。一号店は1949年に開店した。  

2002年に、同チェーンはQSI社に買収された。QSI社はオアフ島の12店舗を引き続き経営し、2004年にフジオカズ・ワイン・マーチャンツを買収した。フジオカズは現在、フジオカズ・ワイン・タイムズのブランドで運営されている。  

またQSI社は、2008年にはワイマナロのシマズ・スーパーマーケットを買収。そして2009年にスター・マーケットを買収、タイムズに改名し全店舗数を17とした。2011年にはカウアイ島のビッグ・セイブ・マーケット5店舗を買収した。  

このタイムズ・チェーンの買収により、ドン・キホーテはハワイの食品業界においてより大きな役割を果たすことになる。  

「フードランド、セーフウェイ、ホールフーズにとって、より厳しい業界となる」とソフォス氏は述べた。  

ドン・キホーテは、2006年にダイエーの店舗を買収しハワイ市場に進出し、2013年にマルカイを買収した。現在、ハワイにはドン・キホーテ3店舗、マルカイ2店舗(ともにオアフ島)を持ち、約950名の従業員を雇用している。