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タートル・ベイ・リゾート、3億5千万ドルで売却か

www.turtlebayresort.com

 

 

 不動産投資専門情報サイトのリアル・エステート・アラートによると、不動産投資事務所ブラックストーン・グループがオアフ島ノースショアのタートル・ベイ・リゾートを3億5千万ドルで購入した。他の情報筋によると、価格は3億3千万ドルとも言われている。この取引が締結すれば、タートル・ベイは巨大な資金源を持つ不動産事務所の手に渡ることとなり、リゾート物件として巨額の投資を受けることになると見られる。

 タートル・ベイの現在のオーナーは昨年初め頃より仲介事務所のJLLを雇用し、リゾートを新しく住宅とバケーション用ユニットに拡大するためのパートナーもしくは売却先を探していた。

 

 ニューヨークを本拠地とするブラックストーン社の広報担当も、タートル・ベイのCEOも現時点でのコメントは拒否。KV&アソシエイツ・ホスピタリティ・コンサルティング代表で、長年地元ホテル業界に勤めてきたキース・ヴィエラ氏は、ブラックストーン社の実績や資金を考慮し、タートル・ベイを引き継ぐには最適な会社だと語る。「ブラックストーン社は取得した物件の投資において堅実な実績を挙げています。タートル・ベイにとってプラスになるでしょう」と同氏。

 ブラックストーン社のハワイでの実績を挙げると、ハイアット・リージェンシー・ワイキキを2013年に4億4500万ドルで購入し約1億ドルを投資した後、昨年7億8000万ドルで売却している。他にも、ワイコロア・ビーチ・マリオットとワイレア・マリオットを購入後に売却。

 またヒルトン・ハワイアン・ビレッジに今年3月にオープンしたタイムシェア型ホテル『グランド・アイランダー』の4億2000万ドルの開発計画のパートナーとなっている。同社は世界最大の不動産未公開株式保持企業をうたっており、1110億ドルの資産を管理しているという。今年の予想利益額は65億ドル。

 ヴィエラ氏はブラックストーン社が物件を改修し消費額の多い旅行者を惹きつけ、宿泊客室の利用率を向上させるのに長けていると評価する。

 

 タートル・ベイはその45年の歴史の中で、資金問題を始めとする様々な問題で歴代オーナーを悩ませてきた。

 ラスベガスでカジノを運営するデル・ウェブとプルーデンシャル・インシュアランスが、1972年に443の客室とゴルフコースの開発のため2700万ドルを投資。後に2つ目のゴルフコースとリゾート・コンドミニアムが増設される。日本の朝日住建が約900エーカーの土地を1988年に1億2800万ドルで購入。ホテル客室とコンドミニアムを2000室ずつに拡大させる計画に乗り出した。

 同社は1990年にカヴェラ・ベイに面した383室のホテル建設を開始したが、地元経済の低迷を理由に翌年中止している。ハワイの開発業者ビル・ミルズ社が1988年に朝日住建からリゾートを購入。価格は非公開とされた。

 次いでカリフォルニアの投資会社オークツリーの所有となり、2005年にホテルとコンドミニアム合計3500室を追加する拡大計画を発表するが、市民の反対に遭い訴訟へ。さらに4億ドルの抵当権債務が支払えず、リゾートは投資銀行クレディ・スイス社の手に渡った。

 

 クレディ・スイス社はタートル・ベイの管理、改修、拡大計画訴訟の対応にカナダのリプレイ・リゾーツ社を雇用。リプレイ社は地域のリーダーと協議し拡大計画を縮小し、環境影響評価書を改正。

 リゾート内未開発区域を保存する権利を4500万ドルで売却する交渉も始めた。保全契約が締結され、ハワイ州はカヴェラ・ベイに面した53エーカーを取得し、タートル・ベイ・ゴルフコースを含む568エーカーを開発禁止区とする地役権も得た。ホノルル市郡は750万ドルを支出しビーチフロントの公園として使用する8エイカーを獲得。リゾートは650戸の住宅開発を諦めた。

 タートル・ベイの所有者は、ホテルとは反対側の沿岸の土地も得ることになり、こちらには2つのホテルまたはタイムシェア施設の合計625室と、最大100戸の住宅を開発する3億7000万ドルの計画が提案されている。

 

(日刊サン 2017. 10. 28)