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ダラスを本拠地とするサウスウエスト航空が11日、来年からハワイ行きの航空券販売を開始すると発表。
ハワイ運輸局広報担当のティム・サカハラ氏は12日、「空港には新しい航空会社を迎える余裕があります。来年のサービス開始に向けて物流上の受け入れ準備等を協力して行っていきます。ハワイに大手航空会社を迎えることで、旅行者や住民の選択の幅が広がり、州により多くの利益がもたらされると予想しています」と述べた。
サウスウエスト航空最高売上責任者のアンドリュー・ワターソン氏は、連邦航空局(FAA)よりETOPSの認定が下り次第まずはハワイ州内の1都市への運航から開始する予定だと話す。
ETOPSの認可には本土からハワイへ飛行する実証実験が必要となり、FAAはサウスウエスト航空が採用したボーイング737MAX8機が離陸から2時間以上経過後の海上で緊急事態となった場合に飛行機能が維持され運航可能かどうかを判断する。
「新しい地域へ就航する際、通常1都市への運航でFAAの認可を取得し、就航都市や路線を追加していく流れを取ります。当社はカリフォルニア州から出発する便が多く、長距離路線は1日1便か2便で、短距離であれば1日に多数の便を運航しています」と、ワターソン氏。
ニューヨークのウルフ・リサーチ社に勤める航空会社アナリストのハンター・キーイ氏は、サウスウエスト航空のこれまでの就航路線の発表や合衆国運輸局のデータを基に、同航空会社がハワイへ1日1便の6路線を就航させると予想。
予想される路線はロサンゼルス、サンディエゴ、フェニックスを出発しホノルルとマウイへ到着するルートだとし、全てハワイアン航空が提供している路線と重複すると述べた。
しかし、キーイ氏はサウスウエスト航空がハワイ路線で成功するとは見ていないようだ。
理由の1つとして機内設備が他のハワイへ乗り入れている航空会社に比べて劣っており、ハワイへ向かう高収入層が取り込めないことを挙げている。
また、同航空会社の「荷物預かり無料」のポリシーが足を引っ張る可能性を指摘。ハワイへ向かう乗客の68%は荷物を預けると予想され、預かり荷物紛失のリスクが高くなる。
ハワイ便にマイルを利用する乗客も多いと見られ、価格体制にも影響が出ると予想している。
「サウスウエスト航空のハワイ便の運航は当初は成功しますが、大成功とまではいかないでしょう。短期間ではハワイアン航空に影響を与えますが、牽引力が得られなくなった後にハワイ便の縮小や停止へ向かうと予想します」と同氏は述べる。
サウスウエスト航空の株価は12日時点で26セント高の58.81ドル。競争にさらされる立場となったハワイアン航空は1~2.5ドル値を下げ39ドルだった。
(日刊サン 2017. 10. 21)