ハワード・ヒューズ社は、州所有のケワロ湾ハーバーの改修工事(総工費2千300万ドル)が11月中に完了すると発表した。
新たに設置・建設された設備は、Wi-Fiサービス、給油所、下水ポンプ場、警備ゲート及びカメラなど。桟橋、照明設備、電気システムも改修され、係留スペース(スリップ)も増設された。この工事は、公営ハーバーの民営化の成功例だが、係留料の値上げに対し、一部利用者から不満の声が上がっている。
スリップの数は、以前の149から184に増えたが、係留料も41%値上げされた。利用者の反応は様々で、施設の改善と警備の強化を称賛する声もあるが、係留料の値上げとトイレ・ゴミ回収に対する不満の声もある。また、利用者の一人は、最前列のスリップの電源設備は改修されておらず、桟橋には滑り止めが設置され、車椅子が通れなくなった、と指摘している。
ケワロ湾ハーバーは、1920年代に造られ、一時はハワイのカツオ漁の母港となっていたが、2007年までに3分の1以上のスリップが使用不可になっていた。そのため、カカアコ地区の開発を監督するハワイ地域開発公社(HCDA)は2005年、改善計画の策定を開始した。HCDAは当初、スリップを修繕し、レストラン、コンビニ、ガソリンスタンド、等を建設し、係留料を100%引き上げ、維持費を徴収することを計画したが、利用者の強い反対で計画変更を余儀なくされた。
2009年に州運輸局から同湾の管理を完全に移管されたHCDAは、暫定措置として、カリフォルニアのアルマー・マネージメント社に運営を委託した。桟橋は修繕され、スリップの稼働率は40%から100%に上がった。HCDAはまた、商業漁船によるバーバーの排他的使用を改め、レジャー・ボートの受け入れを始めた。
アルマー社は2011年、HCDAの2200万ドルの新予算を使い、スリップを100増やし、3つの桟橋を延長し、2つの桟橋を新たに建設する計画を提案した。この実行のため、HCDAは2012年、アルマー社と50年のリース契約に合意した。
しかし、工事開始が2年遅れたため、HCDAは2014年、カカアコでウォード・ビレッジ開発を行っているハワード・ヒューズ社と契約した。同社との契約によると、工事代金は現金で支払われ、工期は2年(アルマー社の工期は5年)。また、ハワード・ヒューズ社とは35年間のリース契約を締結し、同社は一時金として55万ドルを支払い、その後リース料として年間30万ドルを払うものであった。
しかし、ハワード・ヒューズ社はその後、アルマー社に港の管理業務を委託し、予定していた係留費の引き上げ幅を大幅に縮小した。同時に、スリップの追加数も100から35に引き下げ、計画されていた2つの桟橋の追加建設計画も取り下げた。工事は2017年に開始され、2019年11月に完了する予定である。
(日刊サン 2019.11.9)