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グランド・ワイレア、11億ドルで売却

alabn / Shutterstock.com

 

マウイ島のリゾート、グランド・ワイレアがハワイのホテルとしては史上最高額、合衆国内ホテルとしては史上2番目に高い額で売却された。購入したのは、ニューヨークを拠点とする未公開株式投資会社、ブラックストーン・グループLP。

 

客室数776のグランド・ワイレアが1客室あたり140万ドルの価格で購入され、投資市場におけるハワイの宿泊業の強さが今後も続くことが示されている。ホスピタリティ・アドバタイザース社CEOのジョセフ・トイ氏は、ハワイにおける単独のホテル売却としては「とてつもなく、今までで最も高額」だと述べ、ハワイが「洗練されて情報通の」買い手に大変魅力的であると語った。「今回のブラックストーン社による買収は投資家達の持つハワイへの信頼が表れています。ハワイにとっては朗報です。資産を手に入れるために大金が支払われるだけでなく、価値を増加させ投資額を回収するためにリゾートに増資してくれるでしょう」と同氏。KV・アンド・アソシエイツとホスピタリティ・コンサルティングLLCの代表キース・ヴィエラ氏はブラックストーン社の手でグランド・ワイレアはより消費額の高い観光客を惹きつけるために改修されるだろうと語る。「彼らにはより高いレベルのサービスを創造する財力があります」

 

ブラックストーン社は昨年10月にタートル・ベイ・リゾートを3億3000万ドルで買収。これまでにハワイ内ではハイアットリージェンシー・ワイキキビーチリゾート・アンド・スパ、マリオットワイレアビーチ・リゾート・マウイ、ヒルトンハワイアンビレッジ・ワイキキビーチリゾート、ハイアットリージェンシー・マウイリゾート・アンド・スパも取得している。

 

ホテルの売却額として11億ドルという価格は、3年前マンハッタンのウォルド―フ・アストリアが売却された19億5000万ドルに次ぐ。ウォルドーフ・アストリアはヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスから中国のアンバン・インシュアランス・グループ社に売却された。

 

グランド・ワイレアの売却主はシンガポール政府投資公社(GIC Pte)。ブラックストーン社は合衆国最大のホスピタリティ産業投資会社の1つで、同社ウェブサイトには世界に21万1000室以上のホテル客室を抱えていると記されている。

 

マウイのホテル営業は好調

世界観光サミットで発表された予想によると、今年のホテル客室供給数の成長率は合衆国全体では2.2%と予想されているのに比べ、ハワイはわずか0.2%。一方で合衆国全体のホテル1客室あたりの平均価格が2.7%の増加予想なのに対しハワイでは4.5%増加すると予想された。

 

宿泊業の業界では部屋の占有に関わらず1客室が売り上げる価格として、客室売上を全客室数で割ったRevPARが業績の指標として用いられ、ハワイ内でもマウイのホテルの数値は好調だ。ハワイ観光局の11月のレポートによれば、マウイ島のRevPARは236ドルで前年同月より6.5%増加し他島をリードしている。高級ホテルの多いワイレア地区の11月のホテル客室占有率は83.2%を記録し4.2%の増加。同地区のRevPARは13%以上増加し409ドルを記録、平均客室単価は7.5%増加した489ドルだった。