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ワイキキのキングス・ビレッジ・ショッピングセンターがある133カイウラニ通りに、32階建て高層コンドミニアムホテルの建設が計画されているが、11日にホノルル第一巡回裁判所で起こされた訴訟により開発計画の展望は不透明になった。

 

訴訟は地元開発業者バート・A・コバヤシ・Jr氏とイアン・マクノートン氏が設立したブラックサンド・キャピタル社と、マーカス・フラード・レオ氏率いるエルダ・インベストメント社で争われる。フラード・レオ氏は開発予定地の以前の所有者の親族。かつてはジョナ・クヒオ・カラニアナオレ王子が所有していた歴史もある。

 

キングス・ビレッジを所有していたエルダ社は42ページにわたる訴状で、コバヤシ氏とブラックサンド社がフラード・レオ氏の財務マネージャー、スコット・グラディスニク氏から得た情報を利用し、土地の賃貸契約においてエルダ社の権利を損なわせようと策略したと主張。コバヤシ氏とグラディスニク氏は高校時代の友人だとされている。

訴訟によってホテル客室213室と地域設備の改修を含む133カイウラニの計画の進行は遅延することが予想される。この開発計画に際し市の建設計画許可局(DPP)は、ブラックサンド社に対しカイウラニ通りを双方向通行可能な道路にすること、公共用駐車スペースの提供、美術と文化プログラム、屋外プログラム等の開催を目的とした100万ドルの資金提供を求めた。

 

DPPの局長代理キャシー・ソクガワ氏は、訴訟の結果による影響は予測できないとし、計画に変更が生じた際には通知すると述べた。

 

ワイキキ近隣委員会のボブ・フィンリー氏は、もしもブラックサンド社がカイウラニ通りの開発が出来なくなれば、シェラトン・プリンス・カイウラニ・ホテルの再開発のためにキョーヤ社が打ち出した道路計画にも影響を及ぼすと話す。さらに、クイーン・エマ・ランド社がオリバー・マクミラン社をパートナーに開発予定の500の新住宅と食料品店の建設計画にも波及する可能性がある。「訴訟は数年かかるでしょう。100万ドルの改修資金が得られなければ、複数のワイキキの開発に影響を与えます」とフィンリー氏。ブラックサンド社は3月にも2度目の開発延期を発表したが「条件が揃えば開発を進める」と述べた。

 

一方で住民からはコンドミニアムホテル開発に対し、既存住宅から眺望を奪い渋滞を招くと不満も寄せられており、開発遅延の可能性を喜ぶ人も。キングス・ビレッジ近くの住人は「今回の訴訟は因果応報でしょう。開発業者は、中〜低収入層の観光客に貢献していた小規模店舗を残酷に追い出し、超高収入層のために巨大コンド・ホテルの建設を試みています」と話していた。

ブラックサンド社は14日、133カイウラニ計画についてはコメントを避けたが、訴訟内容については事実無根だと発表した。

 

(日刊サン 2017. 9. 23)