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ハワイ不動産ニュース:カカアコのマイクロユニットタワーが着工

カカアコで26日、ハワイ初のマイクロ・ユニットのみで構成された低価格賃貸住宅『ノホナ・ハレ』の着工式典が開催された。開発はニューヨークを拠点とするブロンクス・プロ・グループ社と非営利団体EAHハウジングが協力して手掛け、開発予算は約5300万ドル。

16階建て111戸のタワーとなるこの住宅の着工を祝う式典は、建設予定地では狭すぎるため1ブロック離れたマザー・ウォルドロン・パークで開催された。EAHハウジングの副社長ケビン・カーニー氏は「異例の着工式典となりました」と述べた。 建設予定地は、クイーン・ストリートの角の近くの630クック・ストリートのおよそ1万スクエア・フィートの土地。この広さは通常1戸建物件を建築する面積に等しい。 カカアコの開発を管理する機関ハワイ地域開発局(HCDA)がこの土地を所有しており、2014年に民間業者から低価格住宅の開発提案を募集。2015年に競合6社を退けブロンクス・プロとEAHの提案が採用された。

 

ブロンクス・プロの代表サマンサ・マジストロ氏は、低収入層におよそ300スクエア・フィートのスタジオ・タイプの住戸を提供する計画に参加できることをハワイ州のリーダー達に感謝していると述べ「極小ユニットを是非検討して下さい。重要な住宅ツールを活用する、この国の都市の先駆者となれるでしょう」と語った。デービッド・イゲ知事は、以前船員労働組合の雇用あっせん所であった土地が低価格住宅に転換されることに、遺物が「金鉱」になると評価。HCDAのジョン・ウェーレン委員長は、開発業者が土地や建設費用を理由に開発困難だとしていた場所に低価格住宅を完成させた一例になると話す。「まだ完成はしていませんが、低価格住宅の増加に大きな1歩となるでしょう」と同氏。300スクエア・フィートのスペースで生活するのは不可能に見えるかもしれない。しかしブロンクス・プロがシアトルで手掛けた同様のスタジオ・タイプのユニットは開放感のあるデザインとなっている。カカアコのユニットにも、床から天井までガラスの窓や70スクエア・フィートのラナイが設置される。当初ノハナ・ハレは14階建てで40スクエア・フィートのラナイ付き107戸となる予定だったが、2階層4戸を増やしラナイも拡張した。ブロンクス・プロは2016年の着工を予定していたが、HCDAとの開発同意書の締結や資金の調達に時間を要した。HCDAは65年間開発業者に土地を1ドルでリース。低価格住宅の金融面を支援するハワイ住宅金融開発公社(HHFDC)は、ノハナ・ハレにフラ・マエ・プログラムから2700万ドル、州の賃貸住宅ファンドから2200万ドル、5年間の180万ドルの州税控除、10年間の180万ドルの連邦税控除を提供した。

 

ユニットの賃貸料金は65年間HHFDCの規則に従い低価格に維持される。ユニット99戸はホノルルの中間年収60%(1人世帯で4万9020ドル、2人世帯で5万5980ドル)以下の年収世帯に最大賃貸料金1225ドルで貸し出される。11戸は中間年収30%以下の年収世帯に最大612ドルで提供。残り1戸は管理者が利用する。タワーの建設工事は6月に開始されており、2019年8月に完成予定。EAHハウジングがタワーの管理を担うが、完成予定の6カ月前までは入居者の募集を行わないという。しかし入居希望者は439-6286か[email protected]から希望者リストに申請することが可能。 入居者は資格者の中から抽選で選出される可能性がある。

(日刊サン 2018.08.07)